「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン

Catégories: / /

 [amazon]
小さな仔犬のローヴァーが、ある日庭院で黄色いボールを転がして遊んでいる時に出会ったのは、意地悪な魔法使いのアルタクセルクセス。ボールを取り上げた魔法使いに怒ったローヴァーは噛み付き、魔法使いはローヴァーをおもちゃの犬に変えてしまいます。そしておもちゃ屋のウィンドウに並べられたローヴァーを買ったのは、3人の息子のいるお母さん。その中の1人が大の犬好きで、とりわけ小さな白と黒のぶちの犬には目がないのです。しかし大喜びしていた少年は、海岸でローヴァーをポケットから落としてしまい...。浜辺でローヴァーが出会ったのは、プサマソスという名の魔法使いでした。

仔犬のローヴァーが、月世界に海底にと大冒険する物語。トールキンが「ホビットの冒険」よりも以前に作ったという作品です。この作品に登場する少年はトールキンの次男のマイケル。お気に入りの犬のおもちゃをなくしてしまった時に、マイケルを慰めるために作った話のようですね。
アーサー王伝説やギリシャ神話、北欧神話のモチーフが沢山取り入れられて、まだまだトールキン独自の世界とは言えないんですが、十分にその原型は感じられます。アルタクセルクセスの帽子はトム・ボンバディルのと同じみたいですし、月の男はまるでガンダルフのよう。(月の男ではなく、プサマソスなのかもしれませんが) 海の底に行ったローヴァーが鯨や海犬のローヴァーと西の果てに見た風景は、まるでヴァラールやエルフたちの住むアマンのよう。ここに登場するドラゴンも、ホビットの冒険に出てくるスマウグの原型と言えそう。...もちろん、そういったことを抜きに、1匹の仔犬の冒険物語としても十分楽しめますけどねっ。ローヴァー、すごく可愛いです。月の世界や海の底の世界の描写も素敵。(原書房)


+既読のJ.R.R.トールキン作品の感想+
「農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集」J.R.R.トールキン
「妖精物語の国へ」「妖精物語について」J.R.R.トールキン
「シルマリルの物語」上下 J.R.R.トールキン
「ビルボの別れの歌」「指輪物語『中つ国』のうた」J.R.R.トールキン
「ブリスさん」「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン
「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン
「ホビットの冒険」上下 J.R.R.トールキン
「指輪物語」J.R.R.トールキン
「サー・ガウェインと緑の騎士」J.R.R.トールキン
「終わらざりし物語」上下 J.R.R.トールキン

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「仔犬のローヴァーの冒険」J.R.R.トールキン へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.