「りえちゃんとマーおじさん」南條竹則

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小学校3年生のりえちゃんは、一番仲良しの正ちゃんと喧嘩をした日、いつもと違う道を通って帰ります。いつもの道だと、途中で正ちゃんの家の前を通らなければならないのです。でも途中、空き地だったはずの場所に御殿のような建物が建っているのを見てびっくり。そこには赤い門がそびえ立ち、食べ物屋が並んでいました。そして、その中でも立派な店の前を通りがかった時に急に大粒の雨が降り出し、りえちゃんは慌ててお店に飛び込みます。

後に有名な中華料理人になったりえちゃんが、子供の頃の体験をファンタジー仕立ての童話にした、という設定。帯にある「おいしくかわいいお料理ファンタジー」という言葉そのまんまの作品。いやー、美味しそうでしたー。そして可愛かったですー。
りえちゃんがマーおじさんのお店のある中華横丁に入り込む辺りは、はっきり言って「千と千尋の神隠し」の場面にそっくり。でも、ここで出会うのはハクじゃなくて名コックのマーおじさん。美味しい中華小説といえば南條竹則さん、と私の中ではすっかりイメージが定着してるんですが、これも本当に美味しそう。ごく普通のはずの卵チャーハンの美味しそうなこと! しかも「八仙過海」だの「菊花乳鴿」だの「千紫万紅」だの「百鳥朝陽」だの「宝塔暁風」だの「蓬莱晩霞」だの、どんどん登場する中華料理の名前だけでもそそるんですよねえ。(もちろんそのそれぞれに、美味しそう~な説明がついてます) さすが満漢全席を食べたことがあるという南條竹則さんならでは。小学生が主人公なので、「酒仙」や「遊仙譜」に比べると、さすがにお酒度は低かったですが...(笑)
猪八戒のパロディの「ブタンバラン」とか、「美食礼讃」のサバラン、洞庭湖の竜王・洞庭君、中国四大美女の1人・王昭君、「神曲」のダンテ・カジキエビ(笑)、清朝の詩人・袁枚、中国の仙人・呂洞賓など古今東西の様々な人物が登場して、しかもダンテとは一緒に煉獄をめぐっちゃうし、公主の御殿では「トロイの悲劇」なんて劇まであって、かなりのドタバタ。でも、ただ美食を追い求めるだけでなく、さりげなく美食に対する教訓も籠められています。(ヴィレッジブックス)


+既読の南條竹則作品の感想+
「セレス」南條竹則
「りえちゃんとマーおじさん」南條竹則
「鬼仙」南條竹則
「あくび猫」南條竹則
「魔法探偵」南條竹則
Livreに「酒仙」「満漢全席」「遊仙譜」「ドリトル先生の英国」の感想があります)

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