「きえてしまった王女」「かげの国」ジョージ・マクドナルド

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「きえてしまった王女」は、小さい時から甘やかされて育ったため、我侭で自分勝手な子になってしまったロザモンド王女と、両親が甘やかし続けたおかげで、これまた自分勝手でうぬぼれの強い子に育ってしまった羊飼いの少女・アグネス、そしてその2人を立ち直らせようとする賢女の物語。「かげの国」は、病気で寝たきりにも関わらず、妖精の国の王様にさせられてしまったリンケルマンじいさんが、かげに連れられて、かげの国へと行く話。

「きえてしまった王女」に登場する2人の少女たちは様々な試練を受けているうちに、徐々に自分の醜さを理解していきます。でも頭では分かっていても、思うように行動できないというのはよくあること。自分でも気付かないうちに、自分の悪い部分を正当化しようとしたり、良くなりかけていても、あっという間に元の嫌な子供に戻ってしまったり。賢女のおばあさんの助けを借りても、どうも一進一退といったところ。このなかなか上手くいかないところが、また人間らしいと言えそうです。こういうのって心がけが立派なだけじゃダメなんですよね。この物語を読んでいると、賢女のおばあさんの言葉に、まるで直接話しかけられているような気がしました。いやー、気をつけよう...。
「かげの国」は、あとがきによれば、ジョージ・マクドナルドの初めての童話とも考えられている作品のようです。「北風のうしろの国」を準備するためのスケッチだとも。確かに「北風のうしろの国」ととてもよく似た雰囲気があるんですが、こちらの方が教訓が直接的なんですよね。もう少しぼかして欲しかった気もするのだけど... それが初めての童話作品と考えられる所以なのかな。

どちらの物語にしても、他のマクドナルド作品にしても、教訓色が強いし、物語としてきちんと閉じていなくて、どこか収まりが悪かったりもするんですが、それでもやっぱり豊かに広がる幻想的なイメージが美しいです。これでトールキンやルイスみたいな、きちんとした起承転結を持つ作品を書く作家さんたちに大きな影響を与えてるというのが面白いなあ。
マクドナルド作品は邦題が色々なので分かりにくいんですが、どうやらこれでコンプリートらしいです。特に好きだったのは、「金の鍵」と「昼の少年と夜の少女」(「フォトジェン」という邦題も)。今度、随分前に読んだきりの「リリス」を再読しようっと。今ひとつ理解できなくて悔しかった「ファンタステス」(感想)も。元々一読しただけでは、全て掴みきれないというイメージの強い作家さんですしね。次回に期待なのです。(「リリス」の方は、既に2~3度読んでますが)(太平出版社)


+既読のジョージ・マクドナルド作品の感想+
「お姫さまとゴブリンの物語」「カーディとお姫さまの物語」マクドナルド
「北風のうしろの国」ジョージ・マクドナルド
「かるいお姫さま」マクドナルド
「ファンタステス」ジョージ・マクドナルド
「金の鍵」「黄金の鍵」ジョージ・マクドナルド
「きえてしまった王女」「かげの国」ジョージ・マクドナルド

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