「エルフランドの王女」ロード・ダンセイニ

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善政ではあっても新しい変化のない世の中に倦んだアールの郷の人々は、国主に「魔を行う国主さまに治めていただきたい」と申し出ます。国主は了承。早速長男・アルヴェリックを呼び、エルフランドに行くことを命じます。魔の家系の王女、エルフランドの王の娘と結婚しろというのです。

ほお~~っ、美しいです。重厚な美しさを描き出すダンセイニの作品の中でも、特に美しい作品ですね。幽玄な美しさというか何というか、もううっとりしてしまうー。特に印象に残ったのは、魔女が落雷を掘り出して剣を作る場面、アルヴェリックが黄昏の国境いからエルフランドへと踏み出す場面、そして何といっても、「時」がなく永遠の静謐の中にまどろんでいるエルフランドの描写。このエルフランドの描写がすごいんです。今まで色々な「妖精の国」の物語を読んできましたけど、これほどまでに静かな存在感がある場所は、初めてだったかも。エルフランドの場面、エルフランドの王女が登場する場面は特に、読んでいる間中ずっと歌が聞こえてくるような気がしていました。それだけに、エルフランド王の怒り、その静かな恐ろしさが際立つような気がします。終盤はとても物悲しいんですけどね。読んでるうちに、なんだかエルフランドにのみこまれてしまったみたいです。 圧倒的な作品でした。(沖積舎)


+既読のロード・ダンセイニ作品の感想+
「ぺガーナの神々」ロード・ダンセイニ
「魔法使いの弟子」ロード・ダンセイニ
「魔法の国の旅人」ロード・ダンセイニ
「世界の涯の物語」「夢見る人の物語」ロード・ダンセイニ
「妖精族のむすめ」ロード・ダンセイニ
「エルフランドの王女」ロード・ダンセイニ
「影の谷物語」ロード・ダンセイニ
「時と神々の物語」「最後の夢の物語」ロード・ダンセイニ
「ダンセイニ戯曲集」ロード・ダンセイニ
「牧神の祝福」ロード・ダンセイニ

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Commentaires(4)

ほんとうにこれは傑作だと思います。
雰囲気といい、世界観の造形といい、凡百のファンタジーとは一線を画す作品ですね。
「魔法」で全てが解決する…、という安易なご都合主義に陥らない物語も素晴らしいです。それに、全体に静かな雰囲気に包まれた作品ですが、ユーモアも忘れないところが、にくいですね。とくにトロールのキャラクターは、とてもユーモラスでした。

kazuouさん、こんにちは。
ほんとすごいですね、この作品は。読みながら、もうすっかり飲み込まれてしまいました。
他のファンタジー作品とは、同じレベルでは語れないですね。
というか、もう感想なんて書くのもおこがましい気がします…。
図書館で借りて読んだんですが、ネット書店を調べてたら、このまま絶版になりそうな気配が…!
思わずぽちっとしてしまいました。(^^ゞ

そうそう、ユーモアも。トロールのルルルはお気に入りでした♪

四季様
またしてもBruxellesです。今日は他の本でここに辿り着いて、でこの本の紹介がそのペイジに出ていたので、ここにやって来ました。
実はこの本の訳者は私の昔の友人です。初めは35,6年前に月刊ペン社から出て、それをプレゼントしてもらいましたが、文字が多すぎて拒否反応を起こしてしまい、読みませんでした(内緒!)。
この訳者について、書いている文章があるので、気が向けばクリックしてみて下さい。
URLに入れておきますね。

Bruxellesさん、こんにちは。
お返事がすっかり遅くなってしまって申し訳ないです…

あら、この本の訳者の方とご友人だったのですね。素敵。
文字が多いのは確かなんですけど、これは本当に素敵な作品ですよ~。
お手元にあれば、ぜひ再度挑戦してみて下さいませ♪
ロード・ダンセイニという作家の魅力が詰まってます。

Bruxellesさんの記事にも興味津々です。
また後ほど、ゆっくり拝見させていただきますね。

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