「サブリエル 冥界の扉 古王国記I」上下 ガース・ニクス

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非常に力の強い魔術師である父・アブホーセンの意向で、5歳の時に古王国を離れ、「壁」の向こうにある私立学校・ワイヴァリー学院の寄宿学校に入ったサブリエルももう18歳。卒業後の進路を話し合うため、毎月恒例の新月の夜に父親が影を送ってくるのを待っていました。しかしその夜、アブホーセンはなかなか現れず、その代わりに現れたのは、父の使いの真っ黒な生き物。父のいつも持っていた剣と7つの小さな銀のハンドベルを受け取ったサブリエルは、アブホーセンに何があったのか調べるために、早速古王国へと向かうことに。

最近の読書はファンタジー系が多いんですが、今時のファンタジー作品を読むのは、とても久しぶり。というか、実はあまりよく知らないんですよね、最近のファンタジー作品って。この作品も気になってはいたものの、最近よくある「怒涛のように展開してページをめくる手を止められない」タイプの作品かも、とちょっと警戒してたし(今そういう気分ではないので)、それ以前に、読むとしても3部作が全部文庫で出揃ってからにしようと思ってたはずなんですが...(笑) 書店で見かけた時に、つい買っちゃいました。でも正解。面白かった。

ということで、古王国記シリーズの第1作です。でもこの作品、設定がややこしいんですよね。
まず普通の世界の中に、古王国という魔力が非常に強く、現代的な機械が機能しない一帯があって、普通の世界からは「壁」で隔離されています。ここには「チャーター魔術」と「フリー・マジック」といった2つの魔法があるんですけど、これ以外にもあるのかな...? とにかくサブリエルの父は強力なチャーター魔術師で、剣とハンドベルによって、蘇った死霊を冥界に眠らせるのが仕事。
サブリエル自身分かってないことが多いし、説明が懇切丁寧というわけでもないし、古王国の存在自体がそもそも謎~。でも一旦読み始めたら、すっかり引き込まれてしまいました。マークを思い描いたり、定められた手順で指を動かすことによってかけるチャーター魔術も面白いし、結界を作って冥界と行き来する場面も素敵。そして何といっても、それぞれに大きさも音色も役割も違う7つの銀のハンドベルの存在がいい! ベルは単体で使うこともできますし、力のある魔術師なら組み合わせることも可能。でも簡単に使えるものばかりではなく、使い方を一歩間違えると魔術師も滅ぼしてしまう危険性をはらんでるんですよね。危険といえば、口は悪いながらも、普段は忠実にアブホーセンに仕えている白猫のモゲットも、実は危険な存在。やっぱり闇が濃いほど、光が際立ちますね。でも、全体的に重苦しい雰囲気が漂って、ダークファンタジーというのはこういう作品のことを言うのかなあ、なんて思いながら読んでたんですけど、実はそれほど暗いわけでもなかったようです。少なくとも読後感は、全然悪くも暗くもないです。
いくつか難もあると思うのだけど、それでもこの世界観はなかなか魅力的。この世界、そして7つの門を持つ冥界についてももっと知りたくなります。続編の「ライラエル」「アブホーセン」も楽しみ。早く文庫にならないかな。(主婦の友社)


+シリーズ既刊の感想+
「サブリエル 冥界の扉 古王国記I」上下 ガース・ニクス
「ライラエル 氷の迷宮 古王国II」上下 ガース・ニクス
「アブホーセン 聖賢の絆 古王国記III」上下 ガース・ニクス

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古王国記Ⅰ、「サブリエル」 (副題「冥界の扉」、ガース・ニクス著、主婦の友社)を » Lire la suite

Commentaires(8)

そうそう、馴染みのない設定だから、
慣れるまでがちょっと大変。
でもそれさえクリアしちゃえば、
すっっっごく面白い作品ですよね。
私はチャーター魔術に興味津々です。
ほかにどんなことができるのか気になるのと、
マークがどんなのか見てみたいんで、
辞典みたいなのがあったらいいのに。
あと、モゲットの存在は大きかったです。
いつ手のひらを返すのか、どきどき。
その緊張感が、ファンタジーにありがちな甘さを
引き締めてるように思います。

続きのライラエル文庫版は11月1日発売予定です。
もう7&Yに予約してしまいました。
上下で1880円、冷静に考えると高い。
ハードカバーよりは安いけど、1冊にならないのか!
 
サブリエル、タッチストーン、モゲットのやり取りを見てると少女マンガのようなコメディなんですが、ベルを鳴らすときの様子や、冥界を出入りするときの様子など、マジックに関する部分は独特ですよね。

>sa-kiっち
ほんと面白かったです~。
馴染みのない設定というのも、慣れるまでは大変だけど
一旦のみこんでしまえば、それもプラスポイントですよね。
そうそう、チャーター魔術のマーク、どんなのなんでしょうね。
私は読んでる間、ずっと1つのマークが頭の中に浮かんでいたんですよ。
で、チャーター魔術の場面のたびに、それがすごく鮮やかになるの。
でもそれが何のマークなのか全然分からなくて
今、すっごく気になってるんです。一体どこで見たんだろう?!

それだけ話に入り込んでたということなんでしょうけどねー。(笑)
ほんと、モゲットの存在は効いてましたね。
続きを読むのがとっても楽しみです(^^)。

>オプトさん
わあ、11月1日発売なんですか。
それは素敵な情報をありがとうございます♪
でも1880円ですか! それは… 上下巻2冊とはいえ、結構しますね。
「サブリエル」の方も上下巻にするほどの厚さではなかったですよね。
続編の方が分厚いとはいえ、1冊にまとめて欲しいものです。

こんな独特の世界を書ける作家さんだなんて、「セブンスタワー」も気になってきました。
オプトさんは読んでらっしゃいます?

自分が前に読んだ本が四季さんブログに載ると何故か「よっしゃあ!」と思う私(笑)

図書館の片隅にがっしり置かれてたあのブ厚い本が文庫になるというんで,早速私も買いましたです。
あの子があーなってこーなって,と余計なことを書いてしまいそうなので書きませんが,ひとことだけ。
「すごい面白いですよ~~!」

おおー、睡さんも読んでらしたんですね! でも、「よっしゃあ!」って。(笑)

ハードカバーは結構ずっしりきますね。一昨日図書館でチェックして、
借りちゃおうかなあと迷ったんですけど、予約本も数冊届いてたし、見送ったんですよ。
そしたら2作目の文庫化予定も既に決まっていたようで、ほんと嬉しい!
やっぱり面白いんですね。楽しみです~。

こんにちは。
「サブリエル」は文庫化されたので読みましたが、
あまりにも面白かったので「ライラエル」「アブホーセン」はハードカバーで買っちゃいました。

四季さんの仰るとおり魅力的な世界です。
三部作で一郎完結しているのですが、まだまだ回収し切れていない伏線があり、
「このあと彼と彼女はどうなるのだろう?」
などと思ってしまうのです。
ぜひとも続きを書いてほしいものです。

木曽さん、こんにちは。
もう3部作すべて読まれているのですね!
ハードカバーでも買いたくなるの、よく分かります。
この1作目を読んじゃうと、待ちきれないですよね。
しかもあの装幀がまた、中身の雰囲気にぴったりですし~。

まだまだ回収できてない伏線があるということは、
さらに続きが出る日もあるのでしょうか!
とりあえず11月1日発売の「ライラエル」を
楽しみに待ちたいと思います(^^)。

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