「霧の都」ホープ・マーリーズ

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豊かな平野にあるドリメア自由国は、西の境は妖精の国と隣接している国。しかし革命が起き、商人階級が当時の支配者・オーブリ公爵に取って代わってからというもの、2国間の交流はすっかり途絶え、魔法や空想の類に関すること、特に「妖精」という言葉はドリメア国では禁句とされていました。しかしそのドリメア国の首都、霧のラッドで一番の名士、チャンティクリア判事の長男・ラナルフが、妖精国の「魔法の果実」を食べたと告白したことから、大騒ぎになります。

解説によれば、作者はアイルランド系英国人とのこと。(どうやらトールキンやルイスと同時期にオックスフォードで教鞭を取っていたこともあるらしいです) 道理で物語全体がとてもケルト風の雰囲気でした。でも、思いっきり妖精の存在を感じさせるような舞台設定にも関わらず、そういった存在自体は、逆になかなか登場しないんですよね。その辺りが独特。しかも妖精にまつわる言葉や妖精を彷彿とさせる言葉は、登場人物たちにとって禁句となってるはずなのに、「太陽と月と星に誓って」「西の国の黄金の林檎に誓って」なんて、いかにも妖精の国の影響が見える決まり文句が頻繁に飛び出すところが可笑しいのです。
登場人物たちは大真面目に現実的な生活を生きようとしていて、中盤には過去の殺人事件の調査なんてミステリ的展開もあって、その辺りはきっちりと白黒はっきりするんですけど、それでもやっぱり最終的にはファンタジー的環境には逆らえず... その辺りの微妙な感じが面白かったです。(ハヤカワ文庫FT)

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