「プリンセス・ブライド」ウィリアム・ゴールドマン

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息子のジェイスンの10歳の誕生日に、フローリン国の文豪・S・モーゲンスターンの「プリンセス・ブライド」を贈ったウィリアム・ゴールドマン。これはゴールドマンが10歳の頃、肺炎で寝込んでいる時に、父が少しずつ読み聞かせてくれた本。ゴールドマンが本好きとなったきっかけの本なのです。でも苦労して手に入れた本なのに、ジェイソンは1章だけで挫折。息子が本を気に入ってくれずがっかりするゴールドマンですが、自分で本を開いてみて、かつて知っていた物語とは違っていることに気づきます。父は退屈な歴史部分を飛ばして、面白いアクションの部分だけを読んでくれていたのです。ゴールドマンは「プリンセス・ブライド」の娯楽抜粋版を作り上げることを決意します。

「明日に向かって撃て!」や「大統領の陰謀」の脚本で、アカデミー脚本賞も受賞している作家・ウィリアム・ゴールドマンが、フローリン国の文豪S・モーゲンスターンの名前を借りて作り上げた「真実の恋と手に汗握る冒険物語の名作」。
いやー、ほんとユーモアたっぷりの作品でした。作中作(?)の「プリンセス・ブライド」自体も面白いんですけど、一番楽しかったのは、やっぱりゴールドマン自身による遊び心たっぷりの解説! 「プリンセス・ブライド」が始まる前の、娯楽抜粋版を作るきっかけとなった話も面白いですし、本編が始まってからは、ゴールドマン自身による解説が随時織り込まれていて、これがまた楽しいのです。ハヤカワ文庫版では、この解説部分を分かりやすくするために赤字で印刷していますが、原書もそうなのかしら? 何度も解説が入るので、物語はそのたびに分断されることになるんですけど、勢いを殺いでしまったりはしないですね。むしろ、漫才のツッコミのような感じかも。(笑)
退屈な歴史部分を全部カットするのって、もしかして某大作ファンタジーに対する皮肉?なんて思いながら、楽しく読みました。もちろんフローリン国などという国はありませんし、文豪S・モーゲンスターンも存在しません。全てがゴールドマンによる一人芝居。上手いです~。
この作品は、「プリンセス・ブライド・ストーリー」という邦題で映画化もされているのだそう。これはちょっと観てみたいかも。(ハヤカワ文庫FT)

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Commentaires(4)

これ、お気に入りの作品です。
序盤からパロディ風味が濃いのですけど、作中作がしっかり面白いところがすごいですね。しかも内容はけっこうストレートな「恋と冒険」の物語であるところが、たまりません。
ちなみに、未訳ですが、S・モーゲンスターン名義の作品もあるとか。
映画版も見ましたが、こちらも楽しめました。『ロード・オブ・ザ・リング』を経てしまった今の目から見ると、セットも衣装も貧弱このうえないんですが、どうも監督は、あえて安っぽく撮っているような印象を受けます。かなりコメディ風味の強い作品ですが、これはこれで面白い作品でしょう。

kazuouさん、こんにちは。
ウィリアム・ゴールドスタインは初めてだったんですが、この作品はほんと楽しいですね!
単に笑えるだけじゃなくて、中身がしっかりとしてるからいいですよね。余裕が感じられるところも好きです。
ええーっ、S・モーゲンスターン名義の作品もあるんですか!
ということは、やっぱりこの作品絡みなんでしょうか。後日談とか? 読んでみたいなあ。

おおー、映画も観てらっしゃるのですね。さすがです。
あえて安っぽく撮るというのは正解でしょうね。作ってる方も楽しんでるのが伝わってくるようなのがいいなー。
ああ、やっぱり観てみたいです。

あっ!凄く懐かしい一冊。ぼくの部屋の枕元には、まさにその映画の一部を表紙にした文庫本がころがっています(苦笑)。
もう二十年前に買った奴です。
当時はいわゆる「ファンタジー」全盛期だったんですよね。

すのさん、こんにちは!
おおー、懐かしいですか。出た時に読んでらっしゃるなんて羨ましいなあ。
私はそのファンタジー全盛期には、全然違う本ばかりで…。
おかげで今頃になって、子供の時以来のキョーレツなファンタジーブームが来ることになりました。(笑)
映画の方も観てみたいです~。

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