「モノレールねこ」加納朋子

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時々遊びに来ていたデブで不細工なねこが、その日赤い首輪をしているのを見て、「ぼく」はこっそり首輪の下に短い手紙を書いた紙を押し込むことに。すると次にその猫がやって来た時、そこには返信が挟まっていて... という表題作「モノレールねこ」他、全8編が収められた短編集。

いやー、やっぱり菊池健さんの描かれる絵は、加納朋子さんの作品にぴったりですね。この表紙の猫、パズルになってるんですよー。可愛い! そして中身もとても加納朋子さんらしい作品集でした。どれも人と人との絆をテーマにした物語。
縁あって親子や友達、恋人、そして夫婦になる人々。それは単なる偶然のめぐり合わせかもしれませんが、深く関わり合うような関係を築くには、やはり何かしら不思議な、偶然以上のものが潜んでいるような気がします。住んでいる場所も育った環境もまるで違う男女2人でも、縁さえあれば、知り合って恋に落ち結婚することもありますし、それとは逆に、似たような場所と環境で育ってお互いのことを知っていても、特に深く関わり合うことなくすれ違っていく人々もいるわけですし。やっぱり人間同士が深く関わりあうには、何かの「縁」が必要なんでしょう。そしてその「縁」が人同士を結びつけ、愛情や信頼関係を育てていくのでしょうねー。時には近すぎるからこそ、なかなか上手くいかないこともありますが、少しずつ築き上げて確立した絆は強いですし、その「縁」が本物なら、たとえ何十年のブランクがあっても再びめぐり合えるはず。
どの作品の絆もそれぞれに違ったものですし、短編同士には繋がりが全くないのですが、共通するのはその暖かさ。ああ、久しぶりに加納朋子さんらしい作品を読んだ気がします。良かったです~。(文藝春秋)


+既読の加納朋子作品の感想+
「てるてるあした」加納朋子
「ななつのこものがたり」加納朋子
「モノレールねこ」加納朋子
「ぐるぐる猿と歌う鳥」加納朋子
Livreに、これ以前の全作品の感想があります。

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Commentaires(8)

「ポトスの樹」のクソオヤジがよかったです。身近にいると、困りそうだけど。
ロクデナシたちが、だんだん愛しくなってきました。
ニートとか共依存とか、ともすれば重苦しい話になりそうなのに、
とても優しい視線で描かれていて、ほっとした気持ちになれました。

小葉さん、こんにちは!
「ポトスの樹」のクソオヤジ、良かったですね~。
読み始めた時はどうなることかと思ったんですけど(あまり好みじゃなさそうだったので)
読後にはすっかり気に入ってしまっていました。
あと好きだったのは、「バルタン最期の日」「シンデレラのお城」… いや、どれも良かったですが。
どれも、一歩間違えれば、ただただ重苦しくなってしまいそうなところなのに
読後がふわっと暖かいのは、加納朋子さんならではですね。^^

こんにちは。四季さんご無沙汰しています。
私もこの本読みました。
辛さのなかにも温かさがあふれていて、何度もほろりとしてしまいました。
とても素敵な短編集だったと思います♪

EKKOさん、こんにちはー。
こちらこそご無沙汰してます!
ほんと、とても素敵な話がいっぱいありましたよね。
素直な気持ちで受け止められて良かったです。^^

そうでした!
四季さんのところで拝見していたんですね。
ほんと、私もポトスのクソオヤジ、よかったです。
四季さんのおっしゃるように、どれも重いお話なのに、重くならないところ、素敵だと思いました。
主人公が着々と前を向いてるからなんですね。きっと。
あ、でもシンデレラはちょっとだけ違いますが。。。。
でも、私的には、シンデレラが一番好きかもしれません。

わあ、私の感想がきっかけで読んでくださっていたとは、嬉しいです。^^
でもこの表紙、猫好きさんならきっと一目見て気になっちゃいますよね。(笑)
あ、私も「シンデレラのお城」はほんと好きです。
「ミノ」さんも「私」も「瑞樹」も、全員ひっくるめて抱きしめたくなっちゃうぐらい。
前向き… とはちょっと違うのかもしれませんが、ああして頑張ってる彼女、ものすごく素敵ですよね♪

こんにちは^^
黒井さんのイラスト大好きなんです。
合ってましたね。
表紙の猫の顔が憎たらしいこと^^
どの作品も本当に好きで、選べないです。
「バルタン最期の日」が最初読んで驚きましたね。
結構今まで本を読んできましたが、ヤドカリ目線って言う作品は初めてだったので^^;
さいごはホロリときました。
ちょっと頼りないこの家族と、ずっと一緒に暮らしてほしかったです。

苗坊さん、こんにちはー。
菊池さんのイラストはいつ見てもいいですよねっ。
ほんと加納朋子さんの作品にはぴったりだなあって思います。
表紙の猫も、憎たらしくも可愛らしくて♪
あ、でも読む前は、表題作だけアンソロジー本で既読だったので
この表紙もあって、あの猫の連作短編集かと思ってたんですよ。
ちょっとびっくりしました。(^^ゞ

ヤドカリ目線も面白いですよね。
ほんとずーっと一緒に暮らして欲しかったです!

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