「親不孝通りディテクティブ」北森鴻

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博多の長浜にラーメンとおでん、そしてカクテルを出す屋台を営むテッキこと鴨志田鉄樹。そして、その屋台にいつもやって来てはツケで飲んでいくのは、テッキの高校時代からの腐れ縁で、今は結婚相談所の調査員をしているキュータこと根岸球太。博多の街を舞台に、2人が様々な巻き込まれていくハードボイルド連作短編集。

北森鴻さんの本はかなり読んでますが、こうやって読むのはとても久しぶり。以前はコンプリートする勢いで読んでたはずなんですけど、私の中でミステリ熱が冷めてきたこともあって、ここ2年ほどの間に出た本は全然読んでないんですよね。でも、それ以前のは全部読んでるはず... いや、この作品を抜かしてですが。なぜこれだけ抜けてたかといえば、なんでなんでしょうね。どこかとっつきにくい雰囲気が漂ってたせいなんですよね。(私にとって、です) 図書館で見かけても、なんとなくスルーしてしまってました。でも文庫になったのを機に読んでみたら、意外なほど読みやすくてびっくり!

テッキとキュータの2人の視点が交互に登場して、物語が進んでいきます。2人は高校時代からの腐れ縁で、どちらも29歳。東京の大学を中退して博多に戻って来たテッキは冷静沈着、むしろ老成した雰囲気。使う言葉は標準語。そして常にお気楽で女好き、頭で考えるよりも先に口が出るタイプのキュータは人情家。言葉は博多弁。この2人が好対照となっていて楽しいし、オフクロこと華岡結婚相談所の所長・華岡妙子や、魔女のような雰囲気の歌姫も、独特の存在感を放っていますねー。一見して硬質な雰囲気だし、扱う事件はそれぞれに重いんですけど、狂言回し(?)のキュータのおかげか、その重さがいい感じで和らげられていて、とても読みやすかったです。それでも最後はかなり苦い結末で、驚かされましたが...。
今年の10月に出ている「親不孝通りラプソディー」は、この2人の高校時代のエピソードみたいですね。この本の中でも一度思わせぶりなことが書かれていたので、その話なんでしょう。またそちらも読んでみようっと。(講談社文庫)


+既読の北森鴻作品の感想+
「共犯マジック」北森鴻
「蜻蛉始末」北森鴻
「親不孝通りディテクティブ」北森鴻
「螢坂」北森鴻
「瑠璃の契り」北森鴻
「写楽・考」北森鴻
「暁の密使」北森鴻
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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Commentaires(4)

これ、表紙が何となく手に取りにくい感じですよね。
北森さんのって、表紙に時々「ん???」、と思います。笑
(「孔雀狂想曲」の単行本とか。話は割りとほのぼのなのに、なぜにあんなにおどろおどろしい表紙なんでしょう)
四季さんも北森さんを読まれていたのですね。
何だか嬉しいな~。
ミステリーやハードボイルド(なのかな?)としての幅も広いけど、蓮丈シリーズや、冬狐堂シリーズのようなものから、裏京都シリーズのようなものまで、楽しむ事が出来ますよね。
*トラバいたしました。

キュータは、冬孤堂シリーズにちらっと出てきますね。

僕は、テッキがどこかのシリーズに再登場してくれることを待ち望んでるんですけど。

このシリーズの続編でてるんですね。
それは読んでみなくっちゃ。

>つなさん
あ、やっぱりつなさんもそう思われました?>北森さんの本の表紙
なんか、手に取りづらいですよね~。
ああ、良かった、私だけではなかったんですね。(笑)

北森さんの本、読んでますよー。↓こんな感じで(これはサイトの方のページですが)
http://relieur.net/livre/k/kitamori.html
最後に読んだのは、多分「支那そば館の謎」…
そうそう、この間北森作品を読んでるお友達と一緒に、大悲閣千光寺に行ってきたんですよー。
確かに貧乏寺って感じでしたが、景色が素晴らしかったです。^^
でも市街地と何度も往復するのは体力が要りそう… 案外近いんですけどね。(笑)

>ど~じ~さん
えっ、キュータは冬孤堂シリーズにも出てるんですか!
それは知らなかった。
…と、調べてみたら「瑠璃の契り」のようですね。そっかあ。この作品は未読なのでした、私。
その後、テッキは出てませんかー。あの後どうなったのか、気になるなあー。

「親不孝通りラプソディー」も面白そうですよー。

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