「紀文大尽舞」米村圭伍

Catégories: /

 [amazon]
女だてらに戯作者を志すお夢が今追っかけているのは、江戸の豪商・紀伊国屋文左衛門。蜜柑船を江戸に運んで一夜にして大儲けし、さらに材木商として幕府ご用達となって一代の栄華を誇りながらも、財産をつぎ込んだ貨幣改鋳が中止になり、一夜にして全財産を失ったと言われる紀伊国屋文左衛門。しかし店を畳んで隠棲して4年、まだまだ吉原で豪遊し続けているのです。そんなある日、お夢は謎の夜鷹に命を狙われ、あやういところで暗闇留之介と名乗る浪人に命を助けられることに。

誰もが一度は名前は聞いたことがあるような豪商、紀伊国屋文左衛門について面白可笑しく書きながら、新たな考察を付け加えていく1冊です。お夢が戯作を書くために推理していくという意味では、歴史ミステリと言えそう。紀伊国屋文左衛門の表向きの顔と本当の素顔、表向きの黒幕と本当の黒幕、本当はそこで何が起きていたのかを探り出していきます。下は町の講釈師や物売りといった町人から、上は6代将軍家宣の正室・天照院までが、お夢に向かって紀伊国屋文左衛門の逸話や自分の推理を語っちゃうんですよね。その部分はフォントも変えられていて、まるで講談でも聞いているような気分。お夢自身が大奥にも入り込むことになるので、舞台も幅広いし、8代将軍吉宗とじかに対決してしまうし、戯曲や講談などに登場する一心太助と大久保彦左衛門までもが登場! 実際の時代とは少しずれてますが、その辺りもきちんと解説済みなのが、米村さんらしいところ。(笑)
ただ、賑やかで楽しいし、突拍子もない真相にもその気にさせられてしまうのが凄いなあって思うんですが、どうしても退屈姫君のシリーズと比べてしまうんですよね。これ1冊しか知らなかったらもっと楽しめるでしょうに、あちらと比べてしまうと、どうしても増長に感じられてしまう部分が... 仕方ないこととはいえ、それがちょっと残念でした。(新潮文庫)


+既読の米村圭伍作品の感想+
「退屈姫君 海を渡る」米村圭伍
「おんみつ蜜姫」「退屈姫君恋に燃える」米村圭伍
「紀文大尽舞」米村圭伍
Livreに「風流冷飯伝」「退屈姫君伝」「面影小町伝」の感想があります)

| | commentaire(2) | trackback(3)

Trackbacks(3)

「紀文大尽舞」米村圭伍 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

評者は少なくとも高校を卒業するまでは、真面目に勉強したくちである。科目の好き嫌いはあっても、どの科目も真面目に勉強していた。あまり興味のない歴史も真面目に勉強し... » Lire la suite

  ○ 『風流冷飯伝』 今考えると◎◎の評価が妥当かと ◎◎ 『退屈姫君伝』 既読書評なしm(__)m   ○ 『錦絵双花伝』 文庫化改題→『面影小町伝』 ... » Lire la suite

紀文大尽舞 (新潮文庫)米村 圭伍  ちびちび的プチ評:[emoji:i-280][emoji:i-280][emoji:i-280]   小太りで大食ら... » Lire la suite

Commentaires(2)

文庫化されたのですね(^_^)

自分が読んだのは・・・3年前か。
なんだか文章も3年前(^^ゞ

聖月さん、こんにちは。
そうなんですよ、今年の5月か6月頃だったかな。>文庫化
米村さんの本はもっと早く色々読もうと思ってたんですけど
すっかり海外物の波に押されて遅くなっちゃいました。
聖月さんは3年前ですか~。3年前の文章、楽しみに読ませて頂きますね!

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.