「マロリオン物語」全5巻 デイヴィッド・エディングス

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今年の初読みは、「西方の大君主」「砂漠の狂王」「異形の道化師」「闇に選ばれし魔女」「宿命の子ら」の5冊。一昨年の夏に読んだ「ベルガリアード物語」全5巻の続編です。以前は全10巻で刊行されていたのが、去年復刊されるに当たって原書通りの全5巻になり、題名も変わりました。だから1冊ずつが結構分厚いんですよー。5巻全部で3182ページ、背表紙の厚みは14cm。本棚に揃えて置くと結構な存在感があります。...もちろん京極さんのあのシリーズの文庫(分冊されてない方ね)に比べると、まるで問題ない厚みとも言えるんですけど... あれは「本」という形態として如何なものかと思うので論外と言いたい。(笑)

前作を読んでから1年半経ってしまっているので、細かい部分はかなり忘れてしまってたんですが、1巻の最初は後日譚的な流れになっていたので助かりました。登場人物の会話が相変わらず楽しくて、これこれ、前もこれが良かったのよねえ、と思いながら、色々と思い出していける感じ。いやあ、やっぱり面白いなあ。
でも「ベルガリアード物語」の時も引っかかったんですけど、ファンタジー作品に予言書を登場させるのって難しいですね。そういう時に登場する予言書って大抵意味不明のことが書き連ねてあって、実際に物事が起きて初めて「そのことだったのか!」状態になることも多いですし、この作品でも解読するのが大変なんです。でもそんな予言書を行動の指針にする程度ならいいんですが、予言書が占める割合が大きくなればなるほど、結局運命からは逃れられないのかという疑問も大きくなることに...。最終的にどういう決着がつくのかはまだ決まってないと言われても、どうしても予定調和的な部分を感じてしまうし、やっぱり最初から決まってたんじゃないの?って疑っちゃう。これはエディングスのやり方がどうだというより、予言書という小道具の難しさのような気がするんですけどね。
それと今回、主人公一行の旅に1人の女予言者がかなり絡んでくるんですが、彼女のことがどうもすっきりしなかったです。彼女は私的な行動は厳しく制限されているようで、どちらかといえばレフェリーみたいな存在。「光」と「闇」の双方がきちんと予言を満たす行動をしているのを確認し、謎めいた言葉によって必要な情報を小出しにして助けていくんですが... それにしては主人公側に絡みすぎのような... まあ、それは理由がないわけではないのでいいとしても、どうやら太古から定められている出来事をものすごーく細かい部分まで正確に遂行しなければ、次のイベント(まるでRPG)が発生しないらしいんですよね。そういう部分もなんだかなあ...
...と、引っかかった部分もあったんですが、やっぱり面白かったのには変わりなく。今回一番印象に残ったのは、「ベルガリアード物語」での旅との類似点が指摘されていたこと。世界の運命が決するまで、一連の同じ出来事を何度も経験しなければならないという考え方が面白かったし、その行動の類似点を追うためにも、「ベルガリアード物語」を再読したくなってしまいました!

「女魔術師ポルガラ」「魔術師ベルガラス」という外伝(?)も手元に用意してあるので、近いうちに読むつもり。こちらは3冊ずつなんですが、やっぱり1冊ずつのボリュームが結構あるんです。続けて読むのはさすがにしんどいので、少し時間を置いてから。でもデイヴィッド・エディングスの作品はエレニア記全6巻が復刊されたところで、その続編のタムール記全6巻も続けて復刊するそうなんですよね。追いかけるつもりなら、とっとと読まないといけません。や、楽しいからいいんですけど。嬉しい悲鳴だな。(ハヤカワ文庫FT)


+シリーズ既刊の感想+
留守中に読んだ本(18冊) (「ベルガリアード物語」全5巻の感想)
「マロリオン物語」全5巻 デイヴィッド・エディングス
「魔術師ベルガラス」全3巻 デイヴィッド&リー・エディングス
「女魔術師ポルガラ」全3巻 デヴィッド&リー・エディングス

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Commentaires(6)

こんにちはー。
あ、この作品だったんですね!
「七王国の玉座」かも・・・とちょっと思ってたんです(^_^;)多分四季さんもわたしが言ってる作品お分かりでしたよね?
このシリーズ、本屋さんに行くとずらりとならんでいて、面白いのかなーと気になっていたのですが、FTなら四季さんがそのうち読まれるはずだその感想を待とう、と不届きなことをおもってました(笑
ふむふむ面白いんですね。
チェックチェック!

こんにちは。
マロリオン読まれたんですね!
エディングスの作品はやっぱり大好きです。
といいながらベルガラスやポルガラはまだ手をつけていないんですが。
本国ではリヴァ文書というシリーズもあるみたいで,
こちらも邦訳してくれないかなと思ったり。
でも長いんだろうなー,きっと。

>nineさん
そうそう、nineさんはきっと「七王国の玉座」を思ってらっしゃるだろうなと思ってました。^^
私としては、どちらを読んでも良かったんですが、せっかくのまとまったお休み期間なので
分厚い方を読もうかな、とこちらのシリーズになったんです。これが未読本のところにあると、かさばって気になりますしね。(笑)
「ベルガリアード」もすごく面白いですよー。世界観もしっかりしてるし、登場人物は楽しいし。
ぜひぜひ読んでみてください♪

>森山さん
読みました! いやあ、面白かったです。
やっぱりこのシリーズは登場人物の楽しさが魅力ですね。
会話にニヤリとさせられる部分が多かったです。
あら、森山さんはベルガラスとポルガラはまだだったんですか。
私も近いうちに読むつもりなので、ご一緒にいかがですか~?
「リヴァ文書」もぜひ読んでみたいですね。
どうやら今はエディングス人気のようだから、訳される可能性は高いかも?
期待して待つことにします。^^

こんにちは。
私も、再版されてからエディングス作品を本棚から引っ張り出して、一気読みしました。
長いですけど、ついつい読んじゃいますよね。
「ベルガラス」と「ポルガラ」は、ぜひ前の本の内容を覚えているうちに読んでください。
「なんで僕なんだ」とか言ってるガリオンの尻を、思いっきり蹴り飛ばしたくなる事請け合いです。

みすもとさん、こんにちは。
再版されてから再読したという話は時々耳にしていて
エディングスは再読率が高いなあと思ってたんですが、みすもとさんもそうでしたか!
でもほんと、読みたくなりますよね~。
いつかはベルガリアードとマロリオンを突き合わせて読んでみたいです。
でもその前に「ベルガラス」と「ポルガラ」ですね。
そうですね、今度こそ間があかないうちに読まなくちゃ。今月中に読み始められるといいなー。

>「なんで僕なんだ」とか言ってるガリオンの尻を、思いっきり蹴り飛ばしたくなる事請け合いです。

ふふふ、楽しみです。^^

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