「ニューヨークの魔法使い」シャンナ・スウェンドソン

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ケイティ・チャンドラーが地元テキサスからニューヨークに出てきて1年。今は2人のルームメイトとアパートをシェアしながら、マーケティングディレクターのアシスタントとして働く毎日。しかしニューヨークに1年暮らしても、ケイティは未だにニューヨークで出くわす不思議な人々やおかしな出来事に慣れてはいなかったのです。教会の屋根にはガーゴイルがいたりいなかったりするし、その朝見かけたのも、ハロウィンの季節でもないのに背中に妖精のような羽をつけた女の子。なのに周囲の人々はその女の子をちらりとも見ようともしません。きっとコスチュームデザインを専攻している大学生なんだろうと、ケイティは考えるのですが...

ごくごく普通の女の子のケイティが、その普通さゆえに魔法使いと関わりになってしまうというファンタジー。なぜそのようなことになってしまうかといえば、実はケイティは魔法界の人々の言う「免疫者(イミューン)」だから。
ニューヨークの街に存在する魔法的な人々は、自分たちが普通の人間に見えるように目眩ましの魔法をかけていて、普通の人はそれにだまされる程度の魔力は持ち合わせているので、彼らのことを見ても普通の人間だと思い込むんですが、ケイティにはそのほんのわずかの魔法の資質すら存在しないので、ありのままの姿が見えてしまうんですね。その魔法的な資質のなさが魔法使いにとって貴重な存在になるという、逆説的な部分がまず面白いです。さらに、ケイティが妖精やエルフを見て思い浮かべるのは、ハリー・ポッターや指輪物語なんですが、魔法使いからの接触がEメールで、しかもそのメールをケイティがよくあるスパムメールかと思って削除してしまうという現代的な部分もいいし、ケイティが新しく勤めることになる会社がまた楽しい。その会社は魔法使い向けの魔法の製品を作ってるんですが、魔法という部分を除けば普通の現代の製品と変わりません。何度も商品チェックを受け、きちんとした契約書のもとに公正な取引がされています。でもいくら見かけは現代的な会社のようでも、動かしているのは魔法使いたちなので魔法がいっぱい。それに魔法でかなりの部分が補えてしまうので、さすがにマーケティングとかの知識はあまりないんですよね。そこでケイティのちょっとした提案が次々に受け入れられることになります。現代的な会社と魔法が絶妙なコンビネーション。
残りページ数が少なくなるに連れて、これで本当に何もかも解決するのかしらと心配になったんですが、これはシリーズ物だったんですね! これはケイティの恋の行方も含めて、続きが楽しみです。(私の好みはオーウェンなんだけど、イーサンも捨てがたい) なにも異世界が舞台ではなくても、剣を振るう勇者がいなくても、実は自分のすぐ隣に魔法が存在するのかも、なんて感じさせてくれる、キュートで夢のある物語でした。(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
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