「殺しの四人」「梅安蟻地獄」池波正太郎

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今年35歳になる藤枝梅安は、普段は腕の良い鍼医者、裏の顔は金で殺しを請け負う仕掛人。その日、赤大黒の市兵衛から請け負ったのは、薬研堀の料理屋・万七の女房・おみの殺しでした。しかし実は梅安は3年前に違う筋からの依頼で、先妻のおしずを殺していたのです。仕掛人は詳しい事情を聞かないのが原則。しかし女房が立て続けに殺される裏にはどのような事情があるのか、梅安は気になり始め... という「おんなごろし」他、仕掛人・藤枝梅安の連作短編集です。

「剣客商売」を読了したのが去年の8月。それから「仕掛人・藤枝梅安」の方も貸して頂いてたんです。去年から続いてる海外物ブームのせいでしばらく寝かせてしまったんですけど、ここらでちょっと和んでみたいと思います。(...仕掛人で和むって一体。^^;)
テレビの必殺シリーズを何度か見た程度なので、そういう仕掛け人のグループがあって、回ってきた仕事をみんなでやるのかと思ってたんですけど、梅安は基本的に一匹狼。彦さんという仕掛人仲間がいることはいるけど、それぞれ別々に仕事をしてたんですねー。中村主水なんて出てこないじゃないですか! ということはあのお姑さんも出てこない!(笑)
あ、テレビのシリーズでは藤枝梅安は出てないんだと思い込んでたんですが、緒形拳がやってたんですってね。知らなかった。

仕掛人が仕事を請け負うまでには、まず殺しの依頼人(起こり)がいて、その「起こり」が「蔓」と呼ばれる顔役に殺しを依頼、その「蔓」から「仕掛人」に話が来るという流れ。「起こり」がいくら殺しを依頼しても、その人間が殺されるべきかどうかは「蔓」が判断するので、ただの私怨程度の依頼はボツ。その代わり、「蔓」が「コイツは死んだ方が世の中のためだ」と判断したら、「仕掛人」に話がいきます。「仕掛人」が詳しい事情も聞かないまま仕事を遂行するのは、「蔓」を信頼しているからこそ。
でも梅安だって人間だし、たまには裏事情が気になることもあるんですよね。そうでなくても事件に巻き込まれて、やむなく調べ始めることもあるし。その辺りの事情の繋がっていき方が面白いです。それに、鍼医者として病人を治療する梅安は、貧乏人から無理に治療費を取り立てたりしない神様のようなお医者さんなんですけど、そうやっていられるのも、仕掛人として稼いだお金があるからこそ。そんな相反することをしてるようでいて(人の生死のどちらも一手に握ってるんですね)、梅安の中では特に葛藤はないんですよね。どちらも1人の人間の中に自然に存在してるのが、なんか好き♪
途中で牛堀九万之助なんて名前が登場して、「剣客商売」との繋がりを感じさせてくれるのも嬉しいところ。それに相変わらず美味しそうな場面がいっぱい~。これは続きも楽しみです。^^(講談社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「殺しの四人」「梅安蟻地獄」池波正太郎
「梅安最合傘」「梅安針供養」池波正太郎
「梅安乱れ雲」「梅安影法師」池波正太郎
「梅安冬時雨」「梅安料理ごよみ」池波正太郎

+既読の池波正太郎作品の感想+
お正月休みの間に読んだ本(7冊) (「剣客商売」1~4)
「剣客商売」5~8 池波正太郎
「剣客商売」9~12 池波正太郎
「剣客商売」13~16+α 池波正太郎

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