「石の剣」「舞いおりた翼」 「青狼王のくちづけ」久美沙織

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聖なる石の産地であり、魔女たちの故郷でもあるソーントーンに育ち、その年初めて先輩魔女と共に旅に出たのは、14歳になったばかりの見習いの魔女・ジリオン。長い旅もようやく終わりに近づき、明日はようやく山に帰る日。その日も村人たちの治療が一日中続き、日が暮れる頃にはジリオンは疲れ切っていました。しかし寝床に入ったジリオンは、夜更けの客に起こされることに。それは大きな青狼の毛皮を頭から被っている若い男。男は馬が毒に犯されたので助けて欲しいとジリオンに訴えます。そして男は、どうしても同意しようとしないジリオンの下腹を拳で打ち、意識を失ったジリオンから一番大事なサイトシリンの石を奪ったのです。

ソーントーン・サイクル3部作。久美沙織さんの作品を読むのは、ドラゴンファームシリーズ以来。このソーントーン・サイクルは、明るくて楽しかったドラゴンファームシリーズとはかなり雰囲気が違うんですね。文章も硬めで、まるでハヤカワ文庫FTの翻訳ファンタジーを読んでるみたい。ドラゴンファームも良かったけど、これもなかなかいい感じ...? でも会話文に時々妙に砕けた部分があるのがちょっと... やっぱりこういうのは翻訳作品にはあり得ない部分ですね。せっかくいい雰囲気なのに、会話でブチ壊さないで欲しいなあ。性悪の魔女の蓮っ葉な様子は、まるで一昔前のテレビドラマみたいで、ものすごく安直に感じられてしまいました。もうちょっと雰囲気を出しながらというわけにはいかなかったのでしょうか... そうでなければ、全部硬い方が断然好み。これじゃあ作品そのものが安っぽく感じられてしまうー。
でも、物語そのものはなかなか面白かったです。ジリオンの魔女としての成長物語... と言うには、かなり痛い展開が続いて悲惨だし、一体この人物や場面には必然性があったのかしら?なんて思ってしまった部分も何箇所かあったんですが、最後は綺麗に閉じてくれて満足。意外な人物の意外な魅力が見られたところが好きだったなー。読後感も良かったです。オリジナリティな部分も色々あって、しっかりとした世界観を持つファンタジーでした。(新潮文庫)


+既読の久美沙織作品の感想+
「石の剣」「舞いおりた翼」 「青狼王のくちづけ」久美沙織
Livreにドラゴンファームシリーズの感想があります)

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Commentaires(4)

うぉ,懐かしい!>ソーントーンサイクル
中学生のときに図書館で読みました。
隣に置いてあったM.Z.ブラッドリーの《ダーコーヴァ年代記》と間違った想い出が(苦笑)。
背表紙も表紙の感じも似てるんですもの。
中身はわりと好きだったかな。
まだラノベがラノベと呼ばれていなかった時代の,洋ものファンタジー風味を残した作品でしたね。
神月摩由璃といい,あの頃の国産作品は大好きです。

D.エディングスの情報を一つ。
《タムール記》のあとは未訳だったThe Dreamersの邦訳開始とのことです!
これはベルガリアードともスパーホークとも異なる新シリーズとのこと。
ちょっと期待しています。
《エルリック》の後に《エレコーゼ》《フォン・ベック》と続くみたいだし,
早川の再刊戦略は大当たりみたいですね。

おおー、森山さんは読んでらっしゃいましたか。さすが!
そっかあ、中学の頃かあ。その頃私は何を読んでたのかしら…
その頃にこの手のファンタジーを読み始めてたら、今頃詳しかったのに。
しかも、今みたいに絶版に苦労することもなかったのに。(笑)
ハヤカワ文庫SFで本選びを間違えて挫折してしまったのが、そもそもの間違いでしたよ。てへへ。
妖精文庫とか読みたいのが色々あるんですけど、一体どこに存在してるのやら… 状態です。

おおー、エディングス! わあ、新訳開始とは楽しみですね。
どんな話なんでしょう。ワクワク。
その前にスパーホーク、読まなくちゃなー。あ、エルリックも。
再刊戦略は、ほんと大当たりですね。嬉しい悲鳴状態です。(笑)

個人的には再刊戦略の一環としてタニス・リーとM.Z.ブラッドリーを入れて欲しいですね。
あんなに良質のファンタジーが入手困難だなんて哀しすぎます。
新しい翻訳作品を出すのもそりゃ嬉しいのですが,
過去の素敵な作品を入手しやすい環境作りもお願いしたいところです。
改めて『アーサー王ロマンス』を読んで,自分のアーサー王伝説観に『アヴァロンの霧』の影響が強いか分かりました(苦笑)。

『エルリック』も是非読んでくださいね!
ムアコックは自分の中で最上位級に重要な位置を占めている作家です。
是非是非『エルリック』『エレコーゼ』『コルム』『ホークムーン』の《永遠の戦士》シリーズを堪能してくださいませ!

本当に入れて欲しいですね。>タニス・リーとブラッドリー
だって、もちろんエディングスの作品も大好きなんですが
個人的な好みでいえば、正直その2人の方がエディングスより上なんですもん。
特に「闇の公子」のシリーズと、「アヴァロンの霧」。傑作ですよね!!
でも一般的な読者層からいえば、エディングスの方が読みやすいと思われてるんだろうな…
…いや、実際そうかもしれませんが… ははは…

一旦「アヴァロンの霧」を読んでしまうと、マロリー辺りが単なる散文にしか感じられなくなってしまうのが困り物ですが(笑)
やっぱりそれだけの大傑作ですよね。

「エルリック」は、今年中にとっかかりをつけたいと思ってます。
先日、井辻朱美さんの絶賛を読んで、これは早いとこ読まなくちゃなあと思っていたんですが
森山さんの中で最上位級に重要だなんて、ますます楽しみになっちゃいます。^^

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