「夏の樹」上下 ガイ・ゲイブリエル・ケイ

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トロント大学で行われた第2回国際ケルト会議の後、デイヴ、ケヴィン、ポール、ジェニファー、キムの5人は、世界的な権威であるマルクス博士の秘書のマットに頼まれ、博士がホールから抜け出す手伝いをすることに。7人は無事に博士の宿泊先のホテルの部屋にたどり着きます。しかしマルクス博士は、実はこの世界の人間ではなかったのです。時の渦巻きの中には数多くの世界があり、それらのほとんどは、最も優れた創造物であるフィオナヴァールの不完全な反映。マルクス博士とマットは、そのフィオナヴァールから来た魔道士のローレン・シルヴァークロークと、かつてのドワーフの王だったのです。2人は5人に自分たちの世界に来て、王の治世50年の祭りに出席して欲しいというのですが...。

フィオナヴァール・タペストリーシリーズ3部作の第1部。
ものすごーくケルト神話と「指輪物語」の影響が強く感じられる作品。ガンダルフもいればギムリもいて、エルフとしか思えない種族なんかもいて、その辺りはものすごく分かりやすいです。(登場人物がものすごく多いので、名前を覚えるのは大変だけど) しかもいにしえの伝説を歌で歌ってみたり... これだけ見ると、トールキンの二番煎じにしか見えないですね。ケルトの名称やモチーフを使ってるのも意味不明。でもユニークなのは、この後。まあ「指輪物語」のような旅には出なかったとしても、少なくとも5人が一丸となって闇と戦うんだろうと思っていたんですが、この物語では全くそうではありませんでした。行動はてんでバラバラだし、協調性なんて全然ナシ。(やっぱり欧米人はゴレンジャーにはならなかったか!) でも1人1人の動きがそれぞれ重要になってきて、これは「タペストリー」という言葉が相応しいかもしれません。物語冒頭では、必要なのはキムだけで、あとの4人はおまけという印象が強かっただけに、これは意外。5人が元いた世界から持ち続けていたそれぞれの悩みや感情が、フィオナヴァールの世界での展開と絡み合って昇華されてるのがいい感じ。
でもね、フィオナヴァールが本当に最も優れた世界なら、その中だけで全てが解決しそうなもの。なんで異世界の助けが必要になるの?って思っちゃうし、実際にフィオナヴァールの場面になっても、それほど優れた世界とは思えなかったです...。王の治世50周年のお祭りに呼ばれたなんていう理由も、5人に対してアンフェアでしょう。その後の5人の身に降りかかることを考えれば尚更。それより何よりも、1部がこんな終わり方で、2部3部が未訳のまま放ったらかしにされているというのが解せないですね。(ハヤカワ文庫FT)

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