「おしろいとスカート」「十二人の踊る姫君」カイ・ニールセン絵

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「おしろいとスカート」
妖精に育てられた少年王スーシとミニョン・ミネット姫の物語「ミニョン・ミネット」、貧しい農夫が撫子の鉢と銀の指輪を残した娘のフェリシアは実は姫君だった...という「フェリシア-または撫子の鉢」、宮殿の門衛となったジョンは、姫を笑わせるために、姫に求婚し定め通り幽霊屋敷で一夜を明かすという「ジョンと幽霊」の3編。
「十二人の踊る姫君」
2人の妖精の女王の座の争いに人間が巻き込まれる「ロザニー姫と浮気な王子さま」、12人のお姫さまの靴が朝になると擦り切れている謎を解けばお姫さまの1人と結婚できるという「十二人の踊る姫君」、一度は富豪になりながら全てを失った男が禁断の扉を開ける「笑わぬ男」、芝生の真ん中にいる兵士の謎を解く「ロシア皇后のすみれ」の4編。

日常&読んだ本logのつなさんに教えて頂いた本。元々この2冊は1冊で、「おしろいとスカート」という題名だったみたいです。この題名は、妖精物語の変遷史の中で「パウダー(おしろい)」と呼ばれる時期と「クリノリン(スカート)」と呼ばれる時期があったことから来ているのだそう。クリノリンというのは、下に輪状の骨組みを入れてスカートをふわっと膨らませたスタイル。でも妖精物語の黄金期とも言える「パウダー」時代の作品は沢山あるのに、「クリノリン」時代の物語を探すのは、なかなか大変だったのだとか... それならなんで「クリノリン」と名付けられるような時期があるの? なんて思っちゃうんですけど、これはビクトリア時代と重なってるようなので、もしかしたら妖精は人気でも、物語よりも絵画の方が多かったのかもしれないですね。「パウダー」期と「クリノリン」期の作品の違いは、アールヌーボーとアールデコの違いみたいなイメージでした。(なんとなく、ですけどね)

私が特に好きだったのは「ミニョン・ミネット」かな。「ミニョン・ミネット」に登場するディアファニー姫は、ジョージ・マクドナルドの「かるいお姫さま」みたいだけど、マクドナルドはこの物語からヒントを得たのでしょうか? 「フェリシア-または撫子の鉢」は王子さまにおっと驚いたし、「ジョンと幽霊」はトルストイの「イワンのばか」みたいな感じ。「ロザニー姫と浮気な王子さま」は、競い合う妖精が大迷惑なんですけど、なんか許せてしまうし、「十二人の踊る姫君」は、エロール・ル・カインの絵本でも美しかったけど、こちらも素敵でした。話が微妙に違うのがまた楽しいです。「笑わぬ男」は、ホラー系。「ロシア皇后のすみれ」は、以前どこかで読んだことがあるんですけど、これって実話だったんですね。微笑ましい~。
そしてこの2冊には、カイ・ニールセンの挿絵がついてるんですけど、これがまた美しいのです。どちらも表紙の画像が出なくて残念~ なので、洋書の画像を出しておきますね。カイ・ニールセンの描く女性は皆柳腰で、どこか竹久夢二の絵を思い出します。でもとても華奢なんですけど、すっと伸びた背筋が凛としてるんです。特に好きだった絵は、ミニョン・ミニット姫がスーシを助けに行く場面。これは文句なしに美しいです。あとディアファニー姫が飛んでいってしまう場面と、フェリシアがおしゃべりな牝鶏の話を聞く場面は、2人の驚いたような表情がとても可愛いくて~。案外表情が豊かなんですね。カイ・ニールセンが活躍したのはアール・ヌーボー期なので、彼の描く絵の構図にもどこか日本の影響が感じられるようで、宮廷風の華やかさながら、なんだかとても懐かしい気がしました。(新書館)

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Commentaires(2)

四季さん、こんばんは!
お気に召したようで、良かったです♪
ほんとだ、「かるいお姫さま」に似てますね~。マクドナルドは、一時期色々読んだはずなのですが、どうもこの「かるいお姫さま」しか覚えてないような・・・。笑 関係あるのかしら~。
四季さんが出しておられる、洋書の画像。そのままamazonに飛んでみたら、シリーズで魅力的なのがいっぱい~。うーん、確かに魅力的なんだけど、シリーズで揃えちゃったりしたら、ちょっとお財布が・・・。笑
*トラバ&ご紹介ありがとうございました!

つなさん、こんばんは~。
素敵な本を教えて下さって、ありがとうございました!
ねね、「かるいお姫さま」に似てるでしょう?
ええと、ジョージ・マクドナルドは、よく分からないんですけど
クリノリン期の人じゃないかと思うんです。ヴィクトリア女王時代とほぼ重なってる人なので。
となると、パウダー期の「ミニョン・ミネット」を読んでる可能性は大きいな、と思ったり。
もしかしたら、ここからヒントを得てたりするかもしれないですよね♪

洋書、かなり魅力的でしょう? でもって、お値段がまた手頃。(笑)
や、手頃とは言っても、3冊買ったら相当なんですけどね。
実際に手に取って見てみたいです~。

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