「ジョン王」ウィリアム・シェイクスピア

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The Light of the Worldのnyuさんのところで記事を拝見して(コチラ)、「ジョン王という手もあったか!」と手に取った本。
先日の「アイヴァンホー」以来、いくつかロビン・フッド関連作品を読んだんですが、元々ロビン・フッド物ってあんまりないんですよね。...いや、まさかシェイクスピアにロビン・フッドが登場するはずもないというのはよく分かってるんですが。(笑)
ジョン王といえば、マグナカルタ(大憲章)を認めたヒト。フランスにあったイギリスの領土を失ったことから欠地王とも呼ばれ、イギリスでは最低最悪の君主とされてるヒト。ロビン・フッド物でも徹底して悪役にされてます。でも兄のリチャード一世が十字軍遠征のために税金を絞り取った後なので(その後囚われて、そっちの身代金も莫大だった)、タイミングが悪かったとも言えそう。そんなジョン王が主役になるとどんな話になるんだろう? と思ったのでありました。
...対照的に評判の良いリチャード1世は、獅子心王と呼ばれてる人ですけど、今まで読んだ限り、結構単純な戦争馬鹿に描かれてることも多いです... きっと脳みそが筋肉でできてるタイプだったんでしょう。でも面倒見の良い先輩タイプで、人々に愛されたのかも。(笑)

話が始まるのは、既にジョンが王になった後。リチャード1世の後を継ぐはずだった甥のアーサーを差し置いてジョンが王位についたため、フランスのフィリップ王から、アーサーの権利を認めろという使者が来るんです。(その時アーサーはフランスにいた) それをジョン王が追い返して、フランスに大軍を進めるところから話が始まります。

一読して、随分単純に分かりやすくまとめたなあという印象の作品でした。まあ、私は元々シェイクスピアのことを、それほどオリジナリティのあるヒトとは思ってないのですが(ほとんどの作品に元ネタがあるわけですし)、きっとどこかに光るものがあって名を残したんだろうと思うわけで... この作品では、私生児フィリップ(サー・リチャード)が面白かったです。話し方が野卑すぎて浮いてるんですけど(しかもこれで獅子心王と話しぶりがそっくりって)、この役を舞台で演じる役者さんは、他の役者さんを食ってしまえそうです。そういう意味で、ちょっと舞台を見てみたくなるような作品ですね。...シェイクスピアが書いたのはあくまでも戯曲なんだから、本を読んでるだけじゃダメなんですよね、きっと。舞台でこそ本領発揮するんでしょう。(だから舞台を観たことのない私には、その真価は分からないのかも)

結果的にはマグナ・カルタも登場しないし... いえ、登場しないというのは既に聞いて知ってたんですが、なんでシェイクスピアはこのことを書かなかったのかな? すぐに破棄されたようなものだから重要ではないと考えた? それとも単に忘れていた?(笑)
この作品で貴族たちがジョンに離反したのは、マグナ・カルタのせいではなくて、ジョンがアーサーを殺したという噂が流れたからでした。(白水uブックス)


+既読のシェイクスピア作品の感想+
「プークが丘の妖精パック」キプリング 「夏の夜の夢・あらし」シェイクスピア
「ジョン王」ウィリアム・シェイクスピア
「ジュリアス・シーザー」「アントニーとクレオパトラ」シェイクスピア
「ハムレット」シェイクスピア・「新ハムレット」太宰治
「マクベス」シェイクスピア
「トロイラスとクレシダ」ウィリアム・シェイクスピア

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Commentaires(4)

こんばんは、
そうなんですよ、同じく舞台を見たことがないのです。
だから、台詞を書いた本だけ小説感覚で読むのってどうなんだろう?と思ってしまうときがあります。
それでも、登場人物を想像しながら台詞を読んでいくのが近頃は楽しくなってきました。
戯曲を読む、という鑑賞法をひとつ覚えたような気がします。

『ジョン王』は戯曲を読んだことも、舞台を観たこともないです。
たぶん『ジョン王』は、10年に1回、都内で上演する劇団かあるかどうか、というレベルだと思います。
シェイクスピアの西洋史モノで比較的上演頻度が高いのは『リチャード3世』ですね。

>nyuさん
同じ戯曲でも、あくまでも演じるためだけに書かれた戯曲と、
小説のように読まれるのを想定して書かれた戯曲と、2種類あるように思うんです。
で、シェイクスピアの場合は、小説として読まれるのも想定してたんじゃないかなと思うんですよね。
だから読んでも面白いのではないかと。って全然違うかもしれませんが。(笑)

読んだ戯曲を舞台を観て、また戯曲を読み返す、みたいなことを一度してみたいです。
一度それをしたら、「読む戯曲」の味わい方も少し変わるような気もするし…
それまで気づかなかったシェイクスピアの凄さに気づく、なんてことはないですかねえ?(笑)
あ、役者さんからしたら、自分で演じてこそ分かるものだ、という意見もあるかもしれないですね。(笑)

>菊花さん
やっぱり「ジョン王」は、なかなか上演されないですかー。
そうですよね、「リチャード三世」辺りに比べると、やっぱり知名度が全然違いますものね。
書かれた時期はそれほど変わらないはずなのに、読む作品として比べた場合も
やっぱり「リチャード三世」の方が上のような気がします。

というか、この時代に映画があったら、きっとシェイクスピアは映画用に書いたんじゃないかと思うような作品ですね。
「トロイ」みたいな感じで。いや、トロイは観てないんですけど。(笑)

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