「ケルトの古歌『ブランの航海』序説」松村賢一

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amazonの紹介は、「7世紀頃に成立したアイルランドの伝承詩「ブランの航海」の解題と解読、又、その背景にあるケルト文学における冒険譚・航海譚の特徴や、異界への旅の意味を探った論文を収録」。一般には「ブランの航海」として知られる、「フェヴァルの息子ブランの航海と冒険」に関する論文です。この詩は7世紀頃に成立したそうで、ケルト異界を描く冒険譚と航海譚の2つの要素を兼ね備えており、古代アイルランド文学の中でも重要な作品と考えられているのだそう。

論文なので、「へええ、なるほど」とは思っても「面白かった」って感じではないんですが、「ブランの航海」と一緒に、「コンラの冒険」「マールドゥーンの航海」「青春の国のアシーンの物語詩」といった物語群も紹介されてるのがありがたかったです。こういうの、なかなか読めないですからねー。どれもケルトの異界にまつわる物語で、その異界の共通点は、「はるか彼方の海上の国」「不老不死の至福の世界」。そして「マールドゥーンの航海」だけは、旅の後普通に帰国できるんですけど、他の3つの物語では戻った途端に、現世での時間の経過を思い知らされることになります。丁度「浦島太郎」と一緒ですね。実際、「アシーンと浦島伝説をめぐって」という副題で、「異界と海界の彼方」という文章も収められていました。
ただ、この論文では、ケルトの物語が大きく冒険譚と航海譚に分けられているんですけど、肝心の冒険譚と航海譚の違いが今ひとつ分からないんですよね。航海譚だって冒険なんだから、冒険譚の一分野でいいじゃないの。ってどうしても思ってしまうんですけど、「冒険譚と対照的なのが航海譚であり」という文章があるので、海に出れば航海譚、それ以外は冒険譚というだけではないのでしょう...。何かもっと明らかな違いがあって、でも研究者には常識だから、ここには触れられていないのかも。うーん、私の知識不足かあ。(中央大学学術図書)

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