「死者の書」ジョナサン・キャロル

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高校の英語教師をしているトーマス・アヴィの夢は、作家マーシャル・フランスの伝記を書くこと。9歳の誕生日に父親に「笑の郷」を贈られて以来、手に入る限りの本を集め、フランスについての細かいことを色々と調べているのです。ある日の午後、稀覯本を扱う書店に立ち寄ったトーマスは、何年も絶版になっていた「桃の実色の影」の初版が置かれているのを見つけます。しかしその本は既に買い手が決まっていました。買い手のサクソニー・ガードナーに、100ドルで譲って欲しいと持ちかけるトーマス。2人はやがて一緒に組んでフランスの伝記を書くことになり、フランスが亡くなるまで住んでいたミズーリ州ゲレインへと向かうことになるのですが...。

ジョナサン・キャロルの作品は初めて。実はこの本、ずーーーっと積んでたんですよね。いつから積んでるのか不明。サイトを始めた2000年頃からなのか、それとももっと前からなのか... 誰かにオススメしてもらったか、何かで紹介を見たのか、それすら覚えてないほど。(笠井潔さんが創元推理文庫の企画でベスト5に挙げてたから買ったと思い込んでたんだけど、それはコリン・ウィルソンの「賢者の石」だったらしい...) でも先日翻訳家の浅羽莢子さんが亡くなって、この本も読まなくちゃなあと思っていたところに(浅羽さんは、ジョナサン・キャロルの作品を沢山訳してらっしゃるのです)、先日、檀さんがたらいまわし企画第30回「フシギとあやし」で挙げてらしたんですよね。(記事) 既に十分過ぎるほど熟成済。ようやく手に取ってみました。

最初のうちは緩やかな展開なんですが、トーマスとサクソニーがゲレインに着いた頃からは、どことなく不安感が付きまとい始めることに。これまで伝記を書こうとしていた人々にはけんもほろろだったはずのアンナが親切なのはなぜ? ゲレインの人々と会った時にサクソニーが感じていたのは何? 町の人々が常に全てを知っているのはなぜ? 残念ながら夢中になるところまではいかなかったんだけど、面白かったです。この最後の一文がスゴイ。
それにしても、マーシャル・フランスが実在の作家さんではないのが、ものすごく残念。「笑いの郷」「緑の犬の嘆き」「桃の実色の影」... どれも読んでみたくなっちゃうんですもん。一番読みたくなってしまったのは「笑の郷」ですね。いっそのこと、ジョナサン・キャロル自身に書いてもらいたいほど!(創元推理文庫)

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Commentaires(2)

こんにちは。
おお「死者の書」!
初めて読んだときは奈落の底に突き落とされたような気がしましたです。
その後、キャロルを追いかけてますが(永ちゃんじゃないです)、
「死者の書」を越える作品は正直ないですねえ。
浅羽莢子さん亡くなっちゃったし、新作が出たら誰が翻訳してくれるのだろう(翻訳されなかったら悲しい)。

木曽さん、こんにちは!
ジョナサン・キャロル、お好きなんですね。ふふ、永ちゃんって。(笑)

「死者の書」を越える作品はないですか。デビュー作にして、完成されていたんですね。
でも、まだまだ書き続けてる作家さんですものね!
とりあえず、新作が5月に出るようですね。「天使の牙から」で、浅羽さんの訳!
…ああ、ずっと追いかけていて途中で訳が変わっちゃうのも悲しいですけど
海外物の場合、訳されなくなっちゃう可能性もあるんですものね。
雰囲気を引き継いでくれる、いい訳者さんがいるといいですね~。

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