「九月の恋と出会うまで」松尾由美

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旅行代理店に勤める北村志織は、一眼レフのカメラでモノクロ写真を撮り、それを自分で現像するのが趣味。しかし現像液の臭いのことで隣人から苦情が来て、引っ越すことになります。ようやく決まった引越し先は、画家でもあるオーナーの権藤氏の拘りで、色々な事情で部屋を借りにくい芸術関係の人、よそで三ヶ所以上断られた人、というのが条件のマンション。なんとかオーナーの合格が出て、新しい部屋での生活を始める志織。しかしある日、いつものように仕事から帰ってきて、ぬいぐるみの熊相手に1人で話していた志織は、壁のエアコンの穴から聞こえた笑い声に驚きます。相手は1年後の隣人の平野だと名乗り、1年前の自分を尾行して欲しいと志織に依頼するのですが...。

最初は時間を越えた恋愛物かと思いきや、それが徐々にミステリ的になっていくという、松尾さんらしーい物語。でも、結果的には気持ちの良いSFテイストのラブストーリーになっていると言えるんでしょうけど... なんか違ーう。松尾さんの作品は全部読んでるし、設定の突飛さには慣れてるので、期待しすぎてしまった私がいけないのかもしれないんですが... うーん、どうも物足りない。作中に登場する「シラノ・ド・ベルジュラック」の使い方はすごく効果的だと思うし、きっとSF部分の決着の付け方もあれで良かったんだろうと思うんですけどね。中心となる人物たちに魅力を感じられなかったせいなのかしら。マンションのオーナー氏や他の隣人たちの方が、主人公たちよりも面白かったし。終盤の引越しの話し合いや、その後の説明もクドくて、正直引いてしまいました...。
この作品なら一般的な評価はいいかもしれないんですけど... でもね、他の人の作品ならいいんです。これは松尾さんの作品なんですよーっ。そういう一般ウケする作品を読みたいわけじゃないんです。って、その期待はちょっと変でしょうか。でも松尾さんの作品には、どうしてももっと突き抜けたものを求めてしまうんですよね。メーワクな読者かもしれないなあ。(新潮社)


+既読の松尾由美作品の感想+
「雨恋」松尾由美
「ハートブレイク・レストラン」松尾由美
「いつもの道、ちがう角」松尾由美
「安楽椅子探偵アーチー オランダ水牛の謎」松尾由美
「九月の恋と出会うまで」松尾由美
「人くい鬼モーリス」松尾由美
「フリッツと満月の夜」松尾由美
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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 松尾由美:著 『九月の恋と出会うまで』  九月の恋と出会うまで新潮社このアイテムの詳細を見る  ジャンルでいうと、一応 「SF」 なんでしょうか。  でも、... » Lire la suite

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