「マーリン」1・2 T.A.バロン

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アーサー王伝説で有名な魔法使い・マーリンの少年時代の物語。作者のT.A.バロンは、アメリカ生まれのアメリカ育ちながらもオックスフォード大学に留学し、ケルトの伝説やアーサー王文学に惹きつけられたのだそう。そしてどの伝説にも書かれていないマーリンの少年時代、魔法使いになるまでの物語を書いたのだそうです。
第1巻は記憶を失った少年・エムリス(マーリン)が幻の島・フィンカイラに辿り着いて、悪神・リタガウルに操られるスタングマー王を倒す物語、第2巻は荒れ果てたフィンカイラの大地を蘇らせる役目を担ったエムリスがその役目を途中で放り出した結果、母親がリタガウルの策略にひっかかってしまい、母親を助けるために7つの歌の極意を探る旅に出る物語。

アーサー王伝説をモチーフにしてるとくれば、しかも主人公がマーリンとくれば、読まずにはいられないんですけど... うーん、これはどうなんでしょう。アーサー王伝説に繋がる世界を作り上げようと色々頑張ってるのは分かるんだけど、どれもこれも小ワザに見えてしまうー。いくらギリシャ神話やケルトの伝承を持ち出してきても、それだけではアーサー王伝説の重厚さは描けないと思うんですよねえ。そしてそれ以上に、主人公に感情移入できないのがツラいところ。もうほんと、鼻持ちならない少年なんです。しかも作者が物語に波風を立てるために、マーリンをなかなか成長させないでおこうとしているように感じられてしまったのが...。主人公が失敗を通して成長していくのはいいんですけど、そこに説得力を出すかどうかは、作者の腕の見せ所のはず。それに、2巻の7つの歌の極意を知る旅という展開は、すごく面白いものになりそうだったのに、それぞれの極意があっさりと分かってしまったのが残念。この辺りがもう少しじっくりと書き込んであれば良かったのに。きっと7つというのが多すぎたんでしょうね。それなら5つとか3つでは? ケルト的には、どっちの数字でも良かったでしょうに。
これがどんな風にアーサー王伝説に繋がっていくのか見届けたいので、こうなったら全5巻読むつもりですが、次こそちょっとは成長しておいてよ、マーリン!と言いたい気分です。(主婦の友社)

これを読んでいたら、無性にロイド・アリグザンダーのプリデイン物語シリーズが読みたくなってきました。プリデイン物語シリーズ、子供の頃に好きだったんですよね。子供心にも深みが少し足りないような気はしたんですが(笑)、マビノギオン(感想)がベースになってるそうなので、今読んだらその頃とはまた違う意味でも色々と面白いのではないかと。私にとっては、初ケルトの作品だったのではないかと思います。


+シリーズ既刊の感想+
「マーリン」1・2 T.A.バロン
「マーリン」3~5 T.A.バロン

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Commentaires(4)

装丁がとても美しい!
地元の図書館で見て、そのまま中身を確認せずに借りました。
現在、2巻の途中で挫折し、読了せずに返却してます。
1.5冊読んだ時点では、タイトルがマーリンでなければならないのか、判りません。
フィンカイラの不思議少年じゃ、だめなのかな。(売れゆきが落ちるのは確か)

オプトさん、こんにちは~。
ほんと装幀が素敵な本ですよね。
でも2巻の途中で挫折って、分かります分かります。
やっぱりこのマーリンが元凶でしょうか?!
確かに、この時点では、マーリンである必然性が全然ないですね。
でもフィンカイラの不思議少年じゃ、きっとダメなんでしょう。(笑)

続巻も読みましたが、3巻はダメダメ、でも4巻は面白かったです!
そこまで頑張って下さいませ~ と言いたいところなんですが…
結構分厚いんですよね、この本。

4巻まで耐えれば報われるんですね。
ちょっと頑張ってみます。

1~3巻と4巻では、全然出来が違うような気がします。
あ、でもそれって相対的な評価であって、絶対的とは言えないかもですが…
オプトさんの感想、楽しみにしています!
(もし4巻が好みじゃなかったらごめんなさいです~っ)

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