「奇術師」「魔法」クリストファー・プリースト

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アンドルー宛てに送られて来たのは奇術の本。アンドルーは仕事で訪れたイギリス北部の町で、その本を送りつけてきたケイト・エンジャという女性に会うことになります。アンドルーとケイトの曾祖父は、どちらも"瞬間移動"を得意としていた奇術師。2人の奇術師の間には生涯に渡って確執があったというのですが... という「奇術師」。
爆弾テロに巻きこまれ、記憶を失った報道カメラマンのリチャード・グレイの元に、かつての恋人だというスーザンが現れます。彼女のことを何1つ思い出せないリチャード。それでもその再会がきっかけとなり、リチャードは徐々に記憶を取り戻し... という「魔法」。

クリストファー・プリースト2冊。
ご存知の方はご存知のように、去年からハヤカワ文庫FTマラソン(?)をやっているので、いずれは読むつもりでいたんです。去年は1~100を読んだので、今年は主に100番台の作品を読書中。でもこの本はどちらも300番台。そのままだと再来年になってしまうなあ、なんて思ってたんですけど... 奇妙な世界の片隅でのkazuouさんに、「いの一番に読むべき作品」と言われてしまって! いの一番とまではいかなかったんですが、読んでみました。最初はこの2冊の感想をまとめて書くつもりはなかったんですけど、でもこれはどちらもネタバレをせずに感想を書くのが難しいー。
いや、凄かったです。「語り=騙り」というのはこういうことだったのか、と思い知らされました。一体どこからどこまでが真実? ていうか、真実って何? 構築されつつ、同時に崩壊していく物語。もうね、「魔法」のオチが凄いんです。これって、これって、もしかして?!?
「奇術師」も面白かったけど、「魔法」の方が良かったな。それに「奇術師」のエンディングには、妙に既視感があるんですよね。この作品は初読だし、ラストだけ先に読んだなんてことは絶対ないし、ネタバレされてしまったなんてこともないし、他の作品を思い出しているわけでもなさそう... 多分。なのに、ラストのあの場面に関しては、受け入れ態勢がすっかり整っていたのはなぜなんでしょう。映像付きの既視感。映画の予告ですら1回も見ていないというのに。夢にでも見たのかしら、このオチ。(笑)(ハヤカワ文庫FT)


+既読のクリストファー・プリースト作品の感想+
「奇術師」「魔法」クリストファー・プリースト
「双生児」クリストファー・プリースト
「逆転世界」クリストファー・プリースト

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公開中の映画「プレステージ」の原作者、クリストファー・プリーストの作品。 プリーストという人は、しばしば名前は目にしていたものの、映画を見るまではノーチェック... » Lire la suite

Commentaires(8)

おはようございます
わたしも5月にこの2冊読みました。
面白かったですね。
『奇術師』のラストは想像は出来ました
なぜかなぁ。(^_^;
この2冊を比べると『魔法』が好きです。
今月には新刊の『双生児』を読む予定。
楽しみです♪

こんにちは。たら本のほうにコメントしようと思って訪れたら、
さっそく記事にしていたのでこっちに食いついてしまいました。
『魔法』のほうが出来が良いですね。
ナイオールの正体に気づいたときの衝撃といったらもう……。
作者は登場人物を自由に扱うことができるとはいえ、こんな発想の小説は初めてでした。
SFガジェット満載の『逆転世界』も、最後に現実崩壊感覚を味わえますよ。
『双生児』は、さらに圧倒的な傑作です。
http://shikki.blog66.fc2.com/blog-entry-304.html
↑で私、読んでつまらなかったら買い取るとまで書いています。

お読みになりましたか!
たぶんミステリ好きな人には『奇術師』の方が受けがいいんでしょうけど、個人的には『魔法』の方が余韻があって面白かったと思います。
プリーストって、物語中で出す謎や伏線を、はっきりと解決しないで仄めかす手法が、すごくうまいですよね。書かれていない裏の物語を、読者に想像する余地を与えてくれるところが、すごく魅力的です。

ちなみに『双生児』も読むのがもったいなくて、積んでしまってます(笑)。

>美結さん
おお、美結さんも、ラストを予想できましたか。
こんな近い場所で2人が、となると、やっぱり既存の作品にそんなのがあったとか?
なんだかものすごく「これ、知ってる!!」と思ったんですよねー。推理でも何でもなく。
という美結さんも「魔法」派なんですね。^^
今回、「双生児」までは読むつもりなかったんですけど、この2冊を読んだらふつふつと読みたくなってきました。
今度はどんな世界に連れていってくれるのか、ほんと楽しみですね。

>kotaさん
やっぱりナイオールの正体で良かったんですね!
以前にもこういう試みをしている作品を読んだことはあるんですけど(確か国内作家)
そちらの作品はどうにも展開が苦しくて、もう全然ダメだったんです。悪い冗談にしかなってないというか。
それがこちらではこんなに見事に… 読んでて「うわぁ!」って感じでした。
語彙が足りなくて上手く表現できませんが、あの時の印象はほんとそうとしか言いようがないかも。(笑)

「逆転世界」、絶版なのかと思い込んでたんですが、入手できるようですね。読んでみます。
それから「双生児」に進むことにしようかな。
kotaさんの「読んでつまらなかったら買い取る」という言葉には、絶対の信頼を置いてしまいます。
あ、買い取ってもらえるという安心感ではなくて(笑)、それだけ面白いという意味ですよ、もちろん。
楽しみです!!

>kazuouさん
読みましたよー! その節は、背中を押して下さってありがとうございました。
ちょっぴり遅くなりましたが、映画が公開される前に読めて良かったです~。

ミステリも好きなはずなんですが、やっぱり「魔法」の方が良かったですねえ。
「魔法」に比べると、「奇術師」はまだ普通の作品というか…
いや、あれだけ翻弄されて、「普通」も何もないんですけど。(笑)
ほんと上手いですね。すごいです、プリースト。
読むのがもったいなくて積んでしまう気持ち、すごーくよく分かります。
でもやっぱり、今度はどんな作品が用意されてるのか、ものすごーく楽しみです。^^

kazuouさんオススメで四季さんがお手に取り、更に良い感触だったようなので、私も私も~!、と読んじゃいました。笑
最初は、なんだ、結構普通じゃん、などと思いながら読んでたんですが、スーザン視点あたりから、俄然面白くなり、後は、ええと、どれが真実?、と翻弄されました。
「奇術師」のオチに期待せずに(笑)、次は、「奇術師」を読んで見ようかなぁ、と思います。
*トラバいたしました。

>つなさん
おお、つなさんもお仲間ですね。ようこそ~♪
そうそう、スーザン視点になるとガラッと変わりますよね。
それまで作り上げてきた世界は一体何だったの?って混乱しちゃう。
「語り=騙り」なんですね。本当に。
「奇術師」も面白かったですよー。「魔法」の後に読むと少し迫力不足かもしれませんが、
この作品はそもそも、オチだけで評価を決めるべき作品ではないと思うんですよね。
ミステリ作品じゃないんだから、犯人当てが目的ではないというか。
それまでの途中経過をじっくり楽しんで下さいませ。^^
のちほど、つなさんの感想も拝見に伺いますね!

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