「ケンブリッジ・クインテット」ジョン・L・キャスティ

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1949年6月、政府科学顧問のベン・ロックスペイサー卿と国防省科学顧問のヘンリー・ティザード卿に、コンピュータの可能性について科学者に打診するよう依頼された物理学者のC.P.スノウは、スノウの母校ケンブリッジ大学のクライスト・コレッジで非公式のディナーを開催します。招かれたのは、遺伝学者のJ.B.S.ホールデイン、量子力学でノーベル物理学賞を受賞したエルヴィン・シュレーディンガー、20世紀で最大の哲学者の1人・ルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン、数学者のアラン・チューリングの4人。その晩、ディナーの席で5人の白熱の議論が繰り広げられることに。

ここに書かれているのは、架空のディナーの情景。中心的な議題は、機械は思考することができるか否かというもの。この議論の中では、あくまでも「考える機械」止まりなんですけど、実質的には「人工知能(AI)の可能性について」ですね。(まだその言葉が生まれてなかったのね)
好戦的なヴィトゲンシュタインと、内向的だけど自信に満ちたチューリングの激しい議論が中心となって、穏やかなC.P.スノウが時折議論の筋道を元に戻しながら、シュレーディンガーとホールデインが自分の専門分野からの考察を挟んで議論をさらに煽るという形式。実際にはこんな話し合いはなかったはずなのに、本当に白熱の議論が行われてるような臨場感がありました。ここに出てくる5人に関しては名前ぐらいしか知らなかったんだけど、学者たちの個性もきちんと書き分けられていて掴みやすかったし、理数系の専門知識が全然なくても、予想したより分かりやすくて面白かった。訳者あとがきに、「精神と機械の本質を浮かび上がらせ、それらに関する知見を高校生にも分かるほど平易に解説」とあるように、入門的な本なんでしょうね。果たして専門的な知識を持つ人にはどうなのかな? あとね、この議論でのヴィトゲンシュタインってちょっと凄いんですよ。ヴィトゲンシュタインについて良く知ってる人には、これはどうなんだろう? ちょっと聞いてみたいところです。 (新潮クレストブックス)

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