「ギリシア悲劇I」アイスキュロス

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アイスキュロスは、ソフォクレス、エウリピデスと並ぶ3大悲劇詩人の1人。作品は90編以上あったと言われていますが、今でも残っているのは、ここに収められている「縛られたプロメテウス」「ペルシア人」「アガメムノン」「供養する女たち」「慈みの女神たち」「テーバイ攻めの七将」「救いを求める女たち」7編のみです。

久しぶりのギリシャ悲劇です。以前「アガメムノン」(感想)を読んだ時に、その続編の「供養する女たち(コエーポロイ)」「慈みの女神たち(エウメニデス)」も読むつもりだったんですが、随分間が開いてしまいました... が、ようやく3部作が読めました。いやー、正統派ですね。トロイア戦争関係の悲劇だと、「こんなんアリ?!」という展開をするエウリピデスの「タウリケーのイーピゲネイア」を実はものすごく気に入ってるので(感想)、アイスキュロスはこんなに真っ当な展開なのかと逆にびっくり。うーん、これも悪くないんだけど、ちょっと物足りない気がします...。でもね、解説に「アイスキュロスは真の意味でのアッティカ悲劇の建設者であった」という言葉があるんです。元々は1人の俳優が合唱隊と問答するだけだったギリシャ悲劇で、俳優の数を2人に増やしたのはアイスキュロス。その後、ソフォクレスが3人に増やしたそうなんですが、最初に2人に増やしたというのが、なにしろ画期的だったのだそう。そしてアイスキュロスは自ら俳優として演じ、音楽や舞踏の作者として合唱隊を教えたのだとか。ソポクレスやエウリピデスに比べると、アイスキュロスの作品は正統派ながらもどこか面白みが足りないようにも感じられるのですが、やっぱり先駆者だったことも関係があるのかも。アイスキュロスが完成させたギリシャ悲劇を、ソフォクレスが洗練させて、エウリピデスが民衆に向けてドラマティックに盛り上げてみせた、という位置づけかもしれないですね。

アイスキュロスは3部作が多くて、「アガメムノン」「供養する女たち」「慈みの女神たち」もオレステイア3部作だし、「縛られたプロメテウス」も、プロメテウス劇3部作の最初の作品。(あと2作は「解放されるプロメテウス」と「火を運ぶプロメテウス」) 「テーバイ攻めの七将」も3部作。(「ライオス」と「オイディプス」) 「救いを求める女たち」も3部作。(「アイギュプトスの息子たち」「ダナオスの娘たち」) 3部作じゃないのは、「ペルシア人」だけなんですよね。でも3部作がきちんと残ってるのは、オレステイア3部作だけで、後はほとんどが失われてしまってるんです。それが本当に残念。特に「縛られたプロメテウス」ではゼウスと衝突して岩山に磔つけられたプロメテウスが、3部作の最後ではどうやらゼウスと和解するようなんですが、ここから一体どんな展開をしたら和解に繋がるのか、とっても気になるーーー。
でもアイスキュロスは今から2500年も昔に生まれた紀元前の人。当時はパピルスなんですものね。今でも作品を読めるだけでもありがたいです。本当に。(ちくま文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「ギリシア悲劇I」アイスキュロス
「ギリシア悲劇II」ソポクレス
「ギリシア悲劇III」上 エウリピデス
「ギリシア悲劇IV」下 エウリピデス

+既読のアイスキュロス作品の感想+
「アガメムノーン」アイスキュロス
「ギリシア悲劇I」アイスキュロス

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Commentaires(2)

こんにちは。はじめまして。
トラバさせていただきました。
私もギリシャ悲劇などギリシャ神話関係は
よく読んでいます。

ryotaroさん、こんにちは。はじめまして~。
トラバありがとうございます。
ギリシャ神話は子供の頃から好きだったんですが、
ギリシャ悲劇ってもっととっつきにくいものかと思ってました。
思ってたよりもずーっと面白くてびっくりです。
やっぱり今の時代までのこってるだけのことはありますね。

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