「イスの姫君」ひかわ玲子

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吟遊詩人として各地を遍歴するローレンが出会ったのは、白い服の若い娘。娘はローレンが詩吟(うたうた)いだと知り、イスの都を知っているかと尋ね、ローレンをイスの都へと誘います... という表題作「イスの姫君」他収録。

ひかわ玲子さんの文章に、漫画家の松元霊古さんが絵を描いてらっしゃるというので、手にする前はもっと漫画なのかなと思ってたんですが、実際には挿絵の多い物語集といった感じでした。漫画もあるんですけど、ごく一部。表題作の「イスの姫君」は、ブルターニュに残るケルト伝説がモチーフだし、ほかの作品もマビノギオンやアーサー王伝説、ケルトの伝説を元に作られた物語なんですけど、予想外にしっかりした作品が揃っていてびっくり。これまでに読んできた伝説の中の登場人物たちが、ひかわ玲子さんの作品の中でこれほど生き生きと動き回ってくれるとは~。どれもとても素敵です。
特に読み応えがあったのは、表題作の「イスの姫君」。この作品は、ひかわ玲子さんのデビュー前に世の中に出た一番最初の作品なのだそう。解説で井辻朱美さんが、「『イスの姫君』は骨子の伝説に肉付けをして、生き生きした人物群像を描き出し、ひかわさんの作家的資質をすでに鮮やかに示すものでした」と書かれていますが、、本当にデビュー前の作品とは思えないほどの読み応えのある作品なんです。ひかわ玲子さんご自身は「未熟だけど、もう、二度とこんな作品はかけないーー自分で、そう思います」と書かれていて、この「二度と書けない」と思われる気持ちは分かる気がします... きっとその当時、ご自分が持っていたものを全て注ぎ込んだ作品なんでしょうね。いやあ、良かった。こういった作品を読むと、ひかわ玲子さんのほかの作品も読んでみたくてたまらなくなります。(角川書店あすかコミックスDX)


+既読のひかわ玲子作品の感想+
「ひかわ玲子のファンタジー私説」ひかわ玲子
「キャメロットの鷹」「聖杯の王」「最後の戦い」ひかわ玲子
「イスの姫君」ひかわ玲子

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