「王女クードルーン」

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ヘゲリンゲン王国のヘテル王と王妃ヒルデの間に生まれたクードルーンは、母をも凌ぐ美しい王女に成長し、様々な国からクードルーンへの求婚の使者が送られることに。7つの王国を従えるモールラントの王・ジークフリートや、ノルマンディー王国の王子・ハルトムートもその1人。しかし誇り高いヘテル王はジークフリートに娘を嫁がせることを拒み、王妃ヒルデは、家格が合わないこととを理由にハルトムートの求婚を断るのです。結局クードルーンの心を射止めたのは、隣国ゼーラントのヘルヴィヒ王でした。しかしヘルヴィヒ王とクードルーンの結婚が1年後に決まった時、ジークフリートはヘルヴィヒ王のゼーラントに攻め込み、ヘテル王が援軍をゼーラントに進めている間に、ハルトムートはヘゲリンゲンの城にいた王女クードルーンと62人の侍女を連れ去ったのです。

1230年代に書かれたという長編英雄叙事詩。ドイツの「イリアス」と呼ばれる「ニーベルンゲンの歌」に対して、こちらの作品はドイツの「オデュッセイア」とも評されているのだそう。アイルランド、デンマーク、ノルマンディー、異教徒の国モールラントなどを舞台に3代に渡る壮大な物語。
テンポもいいし、面白いという意味では十分面白いんですけど、叙事詩として比べてしまうと、「ニーベルンゲンの歌」の方が断然格上のような...。人物の魅力的にも、物語の盛り上がりや迫力から見ても、深みから言っても、「ニーベルンゲンの歌」の方が上だと思うんですよねえ。これは、中心となるクードルーンがイマイチのせいもあるかも。...そりゃ美人かもしれないですけど、世の王子さま方はそれだけでいいわけ?!ってほんと思いました。途中でもその高慢ぶりが鼻についたし、最後のハッピーエンドだって、クードルーンの自己満足のように思えてしまうー。 ...と書きつつ、突っ込みどころが満載で、そういう意味ではすごーく楽しめたんですけどねー。(そ、それでいいのか...? と何度思ったことか・笑 ←間違った楽しみ方です)
解説によると、30を超える写本が現存する「ニーベルンゲンの歌」に比べて、こちらには16世紀の写本が1つ残されてるだけなのだそう。だから、中世当時はあまり人気がなかったのではないかとのこと。確かにそれは十分考えられそうです。高い評価を受けるようになったのは、19世紀になってからみたいですね。グリム兄弟の弟・ヴィルヘルム・グリムもこの作品を絶賛してるそうなんだけど... そんな絶賛するほどなのかなあ? いえ、楽しいのは楽しいんですけどね。(講談社学術文庫)

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