「朝日のようにさわやかに」恩田陸

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「図書室の海」以来の短編集。「水晶の夜、翡翠の朝」「ご案内」「あなたと夜と音楽と」「冷凍みかん」「赤い毬」「深夜の食欲」「いいわけ」「一千一秒殺人事件」「おはなしのつづき」「邂逅について」「淋しいお城」「楽園を追われて」「卒業」「朝日のようにさわやかに」の14編。

この中では、三月の学園の「水晶の夜、翡翠の朝」と、アガサ・クリスティの「ABC殺人事件」へのオマージュ「あなたと夜と音楽と」だけが既読だったんですが、どうも既視感のある作品が多くて、ちょっとびっくり。他の作品もどこかで読んでるのかも...。それとも、気づいてないところに特定の作家さんや作品へのオマージュ作品もあるのかしら? さすがに「一千一秒殺人事件」なんてタイトルだと、稲垣足穂系だなと分かるんですが。
どの作品も現実離れしているようでいて、でも妙なリアリティがあって、ちょっと不気味なホラー系。この本に収められた短編のうち「朝日のようにさわやかに」だけが全然ホラー系じゃなくて、むしろエッセイタッチの作品なので、それが表題となってるのがなんだか悪い冗談みたいです。本を読み進めるにつれて世界が徐々に歪んでくるような感じ...。それほど怖くはないんですが、様々なパターンのホラー作品が楽しめます。
私がダントツで気に入ったのは「冷凍みかん」。これも、どこかで読んだことがあるような気がするんですけどね...。これは星新一さんのショートショートみたいな雰囲気。これはいいなあ。あと「淋しいお城」は、講談社ミステリーランドのための作品の予告編なんですって。本編を読むのが楽しみ! でもやっぱり「水晶の夜、翡翠の朝」も素敵でした。それでも天使のようなヨハンにうっとり。(新潮社)


+既読の恩田陸作品の感想+
「夏の名残りの薔薇」恩田陸
「小説以外」恩田陸
「ユージニア」恩田陸
「蒲公英草紙」「光の帝国」恩田陸
「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」恩田陸
「ネクロポリス」上下 恩田陸
「エンド・ゲーム」恩田陸
「チョコレートコスモス」恩田陸
「中庭の出来事」恩田陸
「朝日のようにさわやかに」恩田陸
「木洩れ日に泳ぐ魚」恩田陸
「いのちのパレード」恩田陸
「猫と針」恩田陸
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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Commentaires(6)

こんにちは♪
あらら?何故かふたつTBしてしまってます・・・ごめんなさい。

>本を読み進めるにつれて世界が徐々に歪んでくるような感じ…。
まさにそれが恩田作品の魅力ですよね~何だか不安感いっぱいになってくるのが快感だったりします(笑)

天使の容姿なのに、邪悪なヨハン・・・本当にうっとりしてしまいました。でも私が会いたいのは黎二です・・・!

EKKOさん、こんにちは~。
ほんと、恩田作品の魅力ですね。>世界が歪む
でも長編作品だけでなく、短編集でもそうなるとはびっくりでした…!

黎二、いいですねえ。彼は恩田作品の中でも人気がトップレベルかもしれませんね。
ああ、「麦海」が再読したくなってきちゃいましたー。

こんばんわ。
私も会いたいのは黎二かなぁ・・・^^
「冷凍みかん」私も好きです。
私も、何処かで読んだ事のある作品のような気がするんですよね~。
凄いですよね。。。この内容。
さすが恩田さんだなぁと思います。
「淋しいお城」は予告編ですか!
それは気になります!早く本編が出てほしいですね~。

はじめまして
この本は陸さんのファンとしては実に興味深い本です
なぜなら作風の展覧会だからです
ご本人が「虚実取り混ぜての物語が好き」と後書きで述べているとおりの内容

自らもいうとおり、普通の作品は「楽園を追われて」だけ
この作品、ご指摘のとおり秀作「黒と茶の幻想」を想起させます
でもあれほどには会話のエッジは立っていませんでした
私は「淋しいお城」が特に面白かった

本当は、この作者の数少ない普通の作品が大好きなんです
なぜかこの作者には肩すかしを食うことも多いのですが、ほとんど読んでます

最新作「木漏れ日に泳ぐ魚」も、おもしろいですよ

>苗坊さん
おおー、苗坊さんも黎二ファンでしたか♪
あ、冷凍みかんね、その後分かったんですよ。
これって、「クレオパトラの夢」に挿入されてたエピソードだったんです!
EKKOさんに教えていただいちゃいました。
私なんて、感想に「冷凍みかんの話が面白い」なんて書いておきながら
すっかり忘れてて… えへへ。

「淋しいお城」の本編、楽しみですね。^^

>ino3さん
はじめまして。書き込みありがとうございます。
私は恩田作品では、ダントツで「黒と茶の幻想」が好きなんです。
あれも普通の作品と言っていいのかな…?

確かに恩田作品には肩透かしを食らうことも多いですが、私もほとんど読んでます。
クセになるというか…
三月の学園のシリーズも大好きなんですが、第二の「黒茶」を待ち望んでいるのかもしれません。
「木漏れ日に泳ぐ魚」、良かったですか!
今の時点で未読なのは、この最新作だけなんです。これもぜひ読みたいです!

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