「農夫ピアズの幻想」W.ラングランド

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日の暖かなある初夏のこと、世の不可思議なことどもを聞こうと世間を歩き回っていた「私」は、丘の斜面でぐっすり寝込んで、驚くべき夢を見ます。夢の中で「私」はある荒野の中にいて、東を見ると丘のうえに見事な造りの塔が、その下には底深い谷間が、谷間には恐ろしい掘割をめぐらせた城塞があり、塔と城塞の中間の平らな野原には、あらゆる階層の人々が世のならわしのままに働いたり彷徨っていたのです。

14世紀後半の詩人・ウィリアム・ラングランドによる寓話的な夢物語。「報酬」や「良心」といった抽象概念が擬人化されて、その言葉の意味を持ったまま普通の人間と同じように活動し、特性や機能を表すという擬人化のアレゴリーで、これは17世紀前半ぐらいまでよく使われた形式。夢を見て、というのも、中世でよく使われた形式。この「農夫ピアズ」の場合、語り手は夢から何度か醒めて、読者は語り手と一緒にその夢について考えることになります。
要は当時の社会・宗教問題をラングランドなりに解明しようとしたものなんですが... うーん、ちょっと分かりにくかったかも。夢から何度か醒めちゃうのがいけないのかな? そのたびに繋がりが切れて場面が変わってしまうせいか、あんまり物語として面白くなかったです...。まあ、元々教訓的な話なんで、面白く感じられなくても仕方ないかもしれないんですけど、同じ形式でももっと美しく感じられる作品はあるし、例えば同じく擬人化アレゴリーの作品、ジョン・バニヤンの「天路歴程」なんかは結構面白かった覚えがあるんですよね。なんだか首尾一貫してないような感じで、あまり楽しめませんでしたー。残念。(中公文庫)

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