「ハンカチの上の花畑」「だれにも見えないベランダ」安房直子

Catégories: / /

  [amazon] [amazon]
ある寒い11月の日暮れ、きく屋酒店に郵便を持っていった郵便配達は、不思議なおばあさんに菊酒という美味しいお酒をご馳走になり、しかもその菊酒を造る壷を預かることに... という「ハンカチの上の花畑」他、童話風の作品集。「ハンカチの上の花畑」には表題作と「空色のゆりいす」「ライラック通りの帽子屋」の3編、「だれにも見えないベランダ」には、表題作と「緑のスキップ」「海からの贈り物」「カスタネット」「ほたる」「夏の夢」「海からの電話」「小さい金の針」「天窓のある家」「声の森」「日暮れの海の物語」の11編が収録されています。

掲示板でぽぷらさんにオススメされたと思ったら、タイミング良くsa-ki さんも読んでらして、話をしてたんですよね。先日のたらいまわし「オススメ! 子どもの本」にも出してらっしゃいました。
安房直子さんの作品は多分読んだことなくて、でも子供の頃に雑誌で読んだ作品が話に聞く安房さんっぽい雰囲気だなあ... と思いながら読み始めたら、「ハンカチの上の花畑」は読んだことがありました! 「ハンカチの上の花畑」のこの菊酒を作る壷、ハンカチの上でお酒を造る小人さんたち、そしてこのぞわっとする感じ、覚えてる! あのおばあさんは、一体どれだけの人間が壷に振り回されるのを見てきたのかしら...。
少し前の日本のようだったり、昔話風だったりと様々な物語が並んでるんですが、どれもするりと異世界に行ってしまうようなところが共通点。そしてどれも色彩がとても綺麗。空の色をしたベランダで取れた緑の野菜や艶やかな苺、真っ赤な薔薇、薄桃色桜の花と青葉の緑、黒い岩の上に散らばった桜貝... 色彩の対比がとても鮮やかだし、透き通った羽を持つ小さなセミやこぶしの花の銀色の影は幻想的。そして不思議な音がとても印象に残りました。「トットトット」というスキップの足音や、すずかけの木から響くカスタネットの音、耳鳴りのセミの「シーンシーン」という鳴き声という音... 本当にするっと異世界へと連れて行かれてしまいそうになります。
私が特に好きだったのは、「ハンカチの上の花畑」「だれにも見えないベランダ」「夏の夢」かな。「ライラック通りの帽子屋」で出てくる羊の店も好き~。ここのメニューには、「にじのかけら」「ゆうやけぐも」「ごがつのかぜ」「そのほかいろいろ」とあるんですけど、みんな「にじのかけら」しか頼んでないんですよね。これは、ライラックの花の香りがして、甘くてふっくりした、シャーベットのような七色の食べ物。「まるで昔のおもいでを食べているような感じ」です。他のメニューを頼むとどんなものが出てくるのか、知りたくなってしまいます。(講談社文庫)


+既読の安房直子作品の感想+
「ハンカチの上の花畑」「だれにも見えないベランダ」安房直子
「南の島の魔法の話」「鶴の家」「夢の果て」安房直子

| | commentaire(2) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「ハンカチの上の花畑」「だれにも見えないベランダ」安房直子 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

Commentaires(2)

四季っち、こんばんは♪
安房直子コレクション全7巻のうち6巻読みましたが、
(あと1冊がなかなか借りられないの~)
お店ものがすごく多いなって感じました。
そのどれもが不思議なお店。
可愛いお店ばかりじゃなく、時々アブナイお店もあるけど、
怖いもの見たさで行ってみた~い(笑)
まだ読めずにいる本に、お店がいっぱい出てくるらしいんです。
「だれにも見えないベランダ」もそこに収録されてるの。
空の色をしたベランダの話、はやく読みたいなぁ。

sa-kiっち、こんにちは~。
わあ、もう既に6冊読まれたんですね!
あと1冊は貸し出し中なのでしょうか。
それってうずうずしちゃいそう。早く借りられるといいですね~。
私が今回読んだ2冊には、お店はあんまり多くなかったんですよ。
でも色々あるんですね。それは楽しみ! 不思議なお店、大好きです。
怖いもの見たさで行ってみたいって、分かる~。(笑)

「だれにも見えないベランダ」は、割と普通の話なんですけどねー。
なんだか妙に気に入ってます♪

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.