「女帝 わが名は則天武后」山颯

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7世紀、唐の時代。隋帝国の名門に生まれた母を持ちながらも、父の死によって異母兄たちに財産を取り上げられ、父の故郷の村での惨めな生活を余儀なくされた武照。しかし大将軍李勣によってその非凡さを認められ、勅命によって太宗皇帝の後宮に召されることに。皇帝の死後は、一旦は出家するものの、照を慕っていた新皇帝・高宗に望まれて、照は再び後宮へと召されることになります。

中国4千年の歴史でただ1人の女帝となった則天武后。漢代の呂后、清代の西太后とともに「中国の三大悪女」として有名な彼女の姿は後世の歴史家によって作られたものだとして、実は名君であった彼女の真実の姿を描きだそうとする作品。確かに歴史に描かれるのは勝者にとっての真実ですものね。女性に皇帝の位を取られて悔しい思いをした男たちがどんなデタラメを言ってるか分からないわけで...。そもそもライバルの手足を切り落として酒壷に投げ込んだという話も、則天武后のオリジナルじゃないですしねえ。それだけ言われると、逆にそれだけ隠しても隠しきれないほど光っていた人だったんだろうなと勘ぐりたくもなるわけで。
この作品の中で描かれる則天武后の姿は、凛としていて聡明な女性。自分は自分として朱に染まることを避けて過ごした彼女の、そして後には人でありながら神の位についてしまった彼女の、強い孤独と哀しさが迫ってきます。とてもじゃないけど、今までの則天武后の姿とは重ならないです。しかもそれを描く文章がなんだかとても美しい... 山颯はフランス在住の中国人で、フランス語からの翻訳物だから原文がどうなのかは良く分からないんですけど、原文もきっと美しいんだろうなと思わせる作品なんですよね。他の作品もぜひ読んでみたい、そう思わせる作家さんでした。(草思社)

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