「人魚亭夢物語」村山早紀

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弥子は異次元だのUFOだののことを考えては、友達の麻紀には「もっと大人になりなよ」なんて言われてる小学校4年生。学校帰りに塾に直行する麻紀と別れると、ついつい人魚亭へと足が向いてしまいます。そこは「お帰りなさい」と迎えてくれて、美味しい紅茶を飲ませてくれる真波さんのお店。そんなある日、街の"いこいの森美術館"に「"ししゅうする少女"という絵を盗むという予告状が届いて、街中が大騒ぎ。予告状の差出人は、昭和20年代から30年代にかけてこの街で活躍していたという怪盗・銀ぎつね。"ししゅうする少女"は、画家もモデルも分からないながらも、街では一番人気の絵なのですが...。

「カフェかもめ亭」(感想)と同じ風早市が舞台の物語。こちらも美味しい紅茶と素敵なマスターがいる喫茶店が中心となっていて、まるでカフェかもめ亭の元となっているような物語なんですねー。違うのは、カフェかもめ亭では訪れるお客さんの話す不思議なことが中心となっていること、こちらは"ししゅうする少女"を巡る昔の恋物語と、風早の街に伝わる様々な言い伝えが中心となっていること、かな。ほんと色んな言い伝えや噂があるんです。近い時代のものでは、昭和の怪盗・銀ぎつねや謎の秘密結社、港を根城にする泥棒組織の噂、昔からの言い伝えでは、風早の民を守る山の女神と竜宮の女神、妙音岳に隠された財宝、そして真奈姫川の伝説など... 風早を巡る色々な歴史が重層的に重なり、それを人魚亭の真波さんの存在が1つにまとめているよう。弥子はこの街に引っ越してきてまだ1年なんですが、きっとこの街に縁の深い人間なんでしょうね。弥子の両親がこの街の出身とか? 戦争も絡んだ暗い歴史も明らかになるんですが、怪盗銀ぎつねや"黒犬団"の登場で、児童書らしい明るく楽しい冒険物語になっています。「かもめ亭」に比べると対象年齢が低めなので、どうしても私には「かもめ亭」の方が上になってしまうのだけど、こういった言い伝えのある場所やその話は大好き。(しかもこういう、ちょっぴり不思議なお店の話も大好き)
この中に登場する学生作家の「潤さん」は、「百年目の秘密」にも登場していて、潤さんが子供の頃に体験した不思議な経験の話が読めるのだそう。ぜひ読んでみようと思いまーす。(小峰書店)


+シリーズ既刊の感想+
「ささやかな魔法の物語 カフェ・かもめ亭」村山早紀
「人魚亭夢物語」村山早紀
「コンビニたそがれ堂」村山早紀
「百年めの秘密」
「やまんば娘、街へゆく」「七日間のスノウ」村山早紀

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Commentaires(2)

四季っち、こんばんは♪
ページ数がそう多いわけでもないのに、
言い伝えや噂がいっぱいつまってましたね。
興味をそそる話ばかりで、退屈する暇がないくらい。
これ読んでる間、子供の頃に冒険ものを読んだ時の
わくわくする気持ちを思い出しましたよ。
私も弥子はこの街に何かしら縁があるのだと思います。
引越しも、来るべくして来たってとこなのかな。
風早市には不思議なお店や不思議な話が
まだまだ沢山ありそうですね。
街そのものがワンダーランドみたい。

sa-kiっち、こんにちは~。
ほんと、いっぱい詰まっていましたね。
あの言い伝えが、またツボだし!
読んでてとても楽しかったし、風早の街のほかの本を読む時にも
こういう背景を知ってるのと知らないのとじゃ、大きく違いそう。
これで、黒犬団がもうちょっとちゃんとしてたら、言うことなかったんだけど~。(笑)

風早の街の話は、全部で8冊あるみたいですね。
もうほんと、全部読みたくなっちゃいました!
この街のこと、隅から隅まで知りたくなっちゃいますね。^^

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