「マラカンドラ」「ペレランドラ」C.S.ルイス

Catégories: / /

  [amazon] [amazon]
徒歩旅行で丘陵地帯を訪れていたケンブリッジ大学の言語学者ランサムは、道で出会った女性に頼まれて、ある家の中に入り込みます。その女性の頭の弱い息子ハリーがその家で働いており、時間になっても帰って来ないのをとても心配していたのです。その家は物理学者のウェストンの家。そして一緒にいたのは、ランサムの学生時代の友人のディヴァイン。ランサムは何とかハリーを無事に家に戻させるものの、何かを企んでいた2人によって薬を盛られ、眠り込んでしまいます。そして次に気づいた時、ランサムはなんと宇宙船の中にいたのです...。

ナルニアシリーズが大好きだったC.S.ルイスのSF作品。ナルニアの方は、小学校3年ぐらいで読み始めて以来、もう何度読んだか分からないぐらい読んでいて、今でも文章がまるごとするっと出てきてしまうぐらいなんですけど、こちらのシリーズには手を伸ばしてなかったんですよね。今更...?って感じもあるんですが、すごく面白かったと聞いたので、やっぱり読んでみることに。SFはあんまり得意じゃないし、大丈夫かなあ... なんて心配しながらだったんですけど、そういう意味では全然問題ありませんでした! 確かに火星とか金星とかに行っちゃうSFではあるんですけど、私が苦手とするSF的要素(というのが何なのか、自分でも今ひとつ分ってないんですけど)が全然なくて、しかも火星とか金星とかの描写がものすごく素敵で~。
でも、ナルニアでも感じた方は多いと思いますが、こちらもかなり神学的な部分があるんです。最初はほとんど感じられないんですが、「マラカンドラ」の終盤近く、ランサムが火星における神のような存在と話す辺りからむくむくと...。ここで地球のことにも触れられていて、私にはそれがものすごく面白かったです。そして「ペレランドラ」で描かれているのは、原罪と楽園喪失について。これもすごく面白かった。もしイヴが知恵の木の実を食べなかったら? 知恵の木の実を食べる前の無邪気な状態と今の状態と、どちらが幸せ? ミルトンの「失楽園」(感想)なんかでは、楽園から追放されたアダムとイヴに何かほっとしてるものを感じてしまったんですけど...(笑) あと聖書の創世記だと、まるでイヴがあっという間に誘惑に負けてしまったみたいに書かれてるんですけど、この作品の中の悪魔の執拗な誘惑はものすごくリアルで、その辺りにもすごく説得力がありました。でもこういうキリスト教的部分というのは、好みがはっきり分かれるところでしょうね。
私はちくま文庫で読んだんですが、そちらは入手不可能のようなので、今流通している原書房版にリンクしておきますね。題名も変わっていてびっくりですが。(ちくま文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「マラカンドラ」「ペレランドラ」C.S.ルイス
「サルカンドラ」C.S.ルイス

+既読のC.S.ルイス作品の感想+
「顔を持つまで 王女プシケーと姉オリュアルの愛の神話」C.S.ルイス
「悪魔の手紙」C.S.ルイス
「喜びのおとずれ C.S.ルイス自叙伝」C.S.ルイス
「カスピアン王子のつのぶえ」他 C.S.ルイス

| | commentaire(2) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「マラカンドラ」「ペレランドラ」C.S.ルイス へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

Commentaires(2)

この本大好きなのでコメントさせてください。
なんというか、生命の香りやひんやりとした澄んだ空気みたいのを感じるんです。
こういうのってほかにあんまりないと思います。
「ナルニア」も大好きなんですけど、映画はちょっとがっかりしました。
ルイスのいいところって、ほんと微妙なんで言葉にしづらいと思います。
なんか沈黙の間みたいな、空間の感じの一発芸というか…。
とにかく愛してます。

akiraさん、はじめまして。
この本、私も大好きです!

>生命の香りやひんやりとした澄んだ空気みたいのを感じるんです。

でも、こういうことは考えたことがなかったので、すごく新鮮です。
言われてみると、確かに!
生命の香りやひんやりとした澄んだ空気… すごく素敵な表現ですね。^^

ナルニアの映画は、「ライオンと魔女」はまだいいと思ったんですが…

…もちろん不満はあるんですけど… それでも頑張ってるなという感じで。
でも、「カスピアン王子」の方は、正直がっかりです。
本の解釈も人それぞれだというのは、前から分かってたはずなんですけどね。

>なんか沈黙の間みたいな、空間の感じの一発芸というか…。

これね、特に「魔術師のおい」に感じるような気がします。^^

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.