「コンビニたそがれ堂」村山早紀

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胸の奥が重苦しく、何かを蹴とばしたいような気分だった江藤雄太が見かけたのは、見慣れないコンビニ。ふらっと中に入ると、そこにいたのは銀色の長い髪に金色に光る目のレジのお兄さん。その外見だけでもびっくりなのに、お兄さんはなんと雄太の名前を知っていたのです。しかもそこには、転校してしまった美音から雄太が受け取らなかったメモ帳があったのです... という表題作「コンビニたそがれ堂」以下、連作短編集。

風早の街の裏通りのビルの隙間、古い赤い鳥居が建っている辺りにひょっこりと立っているコンビニを舞台にした連作短編集。このコンビニはコンビニらしくない赤と灰色で、少し古い雰囲気。手作りっぽいおでんのいい匂いが漂い、「おいしいお稲荷さんあります」という手書きのメニューがレジの傍に立てかけられています。探しものがある人間だけが辿り着けるというお店。
さすが「たそがれ堂」という名前の通り、夕暮れの情景がお得意のようです。しかもどの物語も季節感がたっぷり、季節それぞれの夕暮れの情景が広がります。そして夕暮れ時という時間帯のせいなのか、とても切ない物語が多いのです。特に後半。ありがちな展開だと思いながらも、すっかり作者の術中にはまってしまった話も...。(笑)
店主のお兄さんは、お茶目なきつねの神様。時にはミュージシャン志望と間違えられるような、イケメンのお兄さん。お稲荷さんだなんて、日本の昔ながらのモチーフを使いながら、現代を象徴するようなコンビニと結び付けているところが、また面白いです。(ポプラ社)


+シリーズ既刊の感想+
「ささやかな魔法の物語 カフェ・かもめ亭」村山早紀
「人魚亭夢物語」村山早紀
「コンビニたそがれ堂」村山早紀
「百年めの秘密」
「やまんば娘、街へゆく」「七日間のスノウ」村山早紀

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JUGEMテーマ:読書感想文    ◆風早シリーズ    普段童話を... » Lire la suite

Commentaires(2)

四季さん、こんばんはー。
ほんと、多少ありがちだとも思いつつも、それでもほんわり楽しませてくれましたね!
(「手をつないで」はちょっと痛々しかったけれど…)
イケメン店主のお兄さん、私はアニメでみたいなぁ、と思ってしまいました。笑
四季さんの記事を参考に、次は「やまんば娘、街へゆく」を読みたいと思いまーす。
風早シリーズは、たくさんあるんですねえ。
地図が見たい!笑(というか、行ってみたい!)
*トラバいたしました~。

つなさん、こんにちは~。
トラバとコメント、ありがとうございます♪
ほんと、このお兄さんはアニメで見てみたいですね!
それにこの街の地図がほしいです!(本当に行けるなら、そちらの方がいいですが~)

あと、「はるかな空の東」というのと、「虹の物語」というのが
風早シリーズらしいんですけど、読むのがちょっと止まってしまいました。
「はるかな空の東」は、剣と魔法と吟遊詩人のお話が好きな人にお勧めだそうなので
私好みの可能性が高そうです。(笑)

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