「密偵ファルコ 白銀の誓い」「密偵ファルコ 青銅の翳り」リンゼイ・デイヴィス

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紀元70年のローマ。29歳の密偵・ディディウス・ファルコは、2人組の男に追われて炎天下を走る娘と鉢合わせし、彼女を助けることになります。その娘は、元老院議員である伯父の家に暮らすソシア・カミリア。伯父の屋敷に忍び込んだ2人組の男に無理矢理連れ出され、逃げ出したところだったのです。

なぜか2巻の画像がありませんが... これは皇帝がウェスパシアヌスの頃の古代ローマを舞台にしたハードボイルド、密偵ファルコシリーズ。現在14巻まで出ているようなんですが、なぜか全部手元に揃ってしまってます。(笑) 古代ローマには微妙に苦手意識があるんだけど大丈夫かしら... と、ちょっぴり心配しながら読み始めたんですけど、これがなかなか面白い!
作者のリンゼイ・デイヴィスは、修道士カドフェルのシリーズのエリス・ピーターズと、P.C.ドハティ(未読...)と並ぶ、歴史ミステリ御三家と呼ばれる存在なんだそうです。でも同じ歴史ミステリとは言っても、カドフェルのシリーズとは雰囲気が全然違っていたので、ちょっとびっくり。カドフェルの方は、舞台が12世紀のイギリスなら、そこに登場するのも12世紀の人々。当時の日々の生活がしっかりと伝わって来るんです。でもこちらは確かに古代ローマが舞台でありながら、登場してるのはもっと現代的な人々。古代ローマはしっかり描かれてるし、スラム出身のファルコが貴族や皇帝の仕事をしたりするので、色んな階級の人々の生活が幅広く描かれてるんですが... やっぱりこの思考回路と行動ぶりは現代的でしょ! それがまたこのシリーズの面白いところだと思うんですけどね。
それに「白銀の誓い」の方ではブリタニアに行くんです! 今まで読んだ古代ローマ物ではブリタニアに言及してる作品なんて全然なかったので、これは新鮮。逆にブリタニアの側の作品で、ローマについての話が出ることは時々あったんですけどね。そういえば、ローマからはまるっきり無視されてました。それもそのはず、ファルコ曰く、文明の果つる地、林檎だけはローマよりも美味しいけど、野蛮人の住む地らしいです。林檎ですって!? アーサー王の時代と少しズレてるのが本当に残念だわ。(笑)
ミステリあり冒険ありロマンスあり。歴史的にもこれはかなりしっかりした作りなのではないかと思います。中身が濃くて面白いので、続きも読んでみるつもり~。(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「密偵ファルコ 白銀の誓い」「密偵ファルコ 青銅の翳り」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 錆色の女神」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 鋼鉄の軍神」「密偵ファルコ 海神の黄金」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 砂漠の守護神」「密偵ファルコ 新たな旅立ち」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ オリーブの真実」「密偵ファルコ 水路の連続殺人」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 獅子の目覚め」「密偵ファルコ 聖なる灯を守れ」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 亡者を哀れむ詩」「密偵ファルコ 疑惑の王宮建設」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 娘に語る神話」「密偵ファルコ 一人きりの法廷」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 地中海の海賊」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 最後の神託」リンゼイ・デイヴィス

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Commentaires(2)

こんばんは、
なぜか14冊揃ってしまっているなんて、うらやましいです!
といいつつ12作目まで読みました(笑)
もともとローマ史は好きなのでこういう作品は大歓迎なのですが、小説としてもとても面白くできていますね。
主人公の、とっても怖い姉妹たちや母親。それでも一族想いの主人公。
ブリタニアを、主人公をして「文明の果つる地」とこきおろさせているのがイギリス人の作家というのもなんだか楽しいです。

nyuさん、こんにちは。
わあ、もう12冊目まで読んでしまわれたんですか! 早い~。
私はこの感想を読んだあともう1冊読んだんですが、まだ3冊目ですよー。
でもほんと面白いですね。古代ローマ人の名前が覚えにくいのが難点なんですけど(笑)
ファルコの一人称も、ひねくれたユーモアがたっぷりで面白いし~。
そうそう、イギリス人の作家がイギリスを貶させてるところが、また、ですね。^^
でね、3巻目に「馬券屋のおやじみたいに粋」という言葉が出てきて、これにはびっくりでした。
これって、競馬が紳士のスポーツのイギリスならではの言葉ですよね。
こんなところに作者のお国柄が出てくるところも、なんだかとっても楽しいです。
(作者は意図して書いてるんでしょうか? それとも無意識…?)

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