「密偵ファルコ 砂漠の守護神」「密偵ファルコ 新たな旅立ち」リンゼイ・デイヴィス

Catégories: / /

  [amazon] [amazon]
皇帝一家がファルコへの大事な約束を反故にしたおかげで、ヘレナは激怒。皇帝の仕事は金輪際受けないようにと、ファルコに厳命。そんな時、密偵頭のアナクリテスが持ってきた仕事は、最近ローマ帝国によって鎮圧されたばかりのナバテアでの情報収集の仕事でした。そして丁度その頃、蛇使いのタレイアからも、男と一緒に中東に逃げた水圧オルガン弾きの娘をローマに連れ戻すようにとの依頼があり、ヘレナとファルコは、結局ナバテアへと向かうことに。しかしナバテアの拠点ペトラの町に到着した途端、2人は殺人事件の被害者を発見。監視人付きでペトラを追放されてしまい... という密偵ファルコシリーズ6作目「砂漠の守護神」と、7作目の「新たな旅立ち」。

「砂漠の守護神」は、全編通して旅先での話。ひょんなことから、被害者が旅芸人一座の台本作家だったのを知ったファルコは、その後釜として旅芸人一座に加わって、町から町へと回ることになります。ヘレナとファルコは旅芸人一座に加わった時から、時間は内部の人間の犯行だと見て犯人探しを始めるし、実際、事件は1つでは終わらないので、今回はミステリ風味が強いです。でもどこが面白かったといえば、ミステリ部分そのものよりも、旅芸人一座の生活ぶりとか、その旅の様子だなあ。主な舞台となるのはローマ領シリアの「十の町(デカポリス)」なんですが、それぞれの町の描写もすごく詳しいんですよね。...でもヘレナやファルコを見てると、中東に行くのもブリタニアやゲルマニアに行くのとそれほど変わらないように見えるんですが、この時代の旅って実際どうだったんだろう? 旅そのものは大変でも、中東って今の時代よりも近い存在だったのかしら。少なくとも今の時代だと、シリアなんて、おいそれと気軽に旅行に行けるような場所じゃないですよね。なので、そういう意味でも楽しかったです。
そして「新たな旅立ち」は、打って変わってローマでの話。題名からすると、まるでファルコとヘレナに新しい展開があったように思えてしまうんですけど、違いました。(笑) 旅立つのは、死罪を言い渡された大犯罪人。ローマ時代、死罪を宣告された犯罪者には、旅の用意をして家族に別れを告げ、逃げ出す権利が認められてたんですって。死罪を言い渡されるほどの犯罪者なのに?! とびっくりなんですが、その方が国家にとって安上がりで助かったらしく... そんなことでいいのかなあ。今回も、その大犯罪者が出国するところをファルコもその目でしっかり確かめるんですけど、案の定、それだけでは済みませんでしたよー。江戸時代の所払いの方が、しっかり追放されそうです。ローマには関所なんてないですしね。(笑)(光文社文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「密偵ファルコ 白銀の誓い」「密偵ファルコ 青銅の翳り」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 錆色の女神」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 鋼鉄の軍神」「密偵ファルコ 海神の黄金」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 砂漠の守護神」「密偵ファルコ 新たな旅立ち」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ オリーブの真実」「密偵ファルコ 水路の連続殺人」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 獅子の目覚め」「密偵ファルコ 聖なる灯を守れ」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 亡者を哀れむ詩」「密偵ファルコ 疑惑の王宮建設」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 娘に語る神話」「密偵ファルコ 一人きりの法廷」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 地中海の海賊」リンゼイ・デイヴィス
「密偵ファルコ 最後の神託」リンゼイ・デイヴィス

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「密偵ファルコ 砂漠の守護神」「密偵ファルコ 新たな旅立ち」リンゼイ・デイヴィス へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.