「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子

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どこの子なのか、だれひとりとして知らないけれど、そこに確かに存在している「こうちゃん」。そんなこうちゃんのことを書いた絵本。須賀敦子さんが唯一遺したという小さな物語に、酒井駒子さんの画をつけたものです。

絵本と言っても差し支えないとは思うし、こここに書かれている言葉は決して難しいものではないんですけど、やっぱり子供向きの絵本とは言えないですね。ひらがなの多い文章はとても柔らかくて、読んでいる人を包み込んでくれるよう。するっと心の隙間に入り込んで、ひび割れた部分を埋めてくれるような気がします。でも字面を追うのは簡単なんだけど、そこにどんな意味があるのかと考え始めると、ものすごく難しいんですよね。そもそも「こうちゃん」って一体誰なんだろう? ...私には、ふとした瞬間に感じられる明るい光のようなものに思えました。ふとした拍子にするりと逃げ去ってしまうんだれど、確かに存在するもの。日々柔らかな心で暮らしていないと、すぐに見失ってしまうようなもの。
本を見る前からきっと合うだろうとは思っていましたが、酒井駒子さんの絵が素敵。須賀敦子さんの文章にぴったり。でも、須賀敦子さんの文章をそのまま絵にしたという感じではないんですよね。須賀敦子さんの文章から浮かび上がってくる情景と、酒井駒子さんの描く絵が対になって、コラボレーションとなっているみたいです。(河出書房新社)


+既読の須賀敦子作品の感想+
「トリエステの坂道」須賀敦子
「本に読まれて」須賀敦子
「ヴェネツィアの宿」「コルシア書店の仲間たち」須賀敦子
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「須賀敦子全集1」須賀敦子
「須賀敦子全集2」須賀敦子
「須賀敦子全集3」須賀敦子
「須賀敦子全集4」須賀敦子
「須賀敦子全集5」須賀敦子
「須賀敦子全集6」須賀敦子
「須賀敦子全集7」須賀敦子
「須賀敦子全集8」須賀敦子

+既読の須賀敦子翻訳作品の感想+
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「なぜ古典を読むのか」イタロ・カルヴィーノ
「ある家族の会話」ナタリア・ギンズブルグ

+既読の酒井駒子作品の感想+
「こうちゃん」須賀敦子・酒井駒子
「よるくま」「よるくま クリスマスのまえのよる」酒井駒子(「リコちゃんのおうち」)
「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳
「きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵
「絵本のつくりかた1」「Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」
「ゆきがやんだら」「ぼく、おかあさんのこと...」酒井駒子
「こりゃ まてまて」「ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子
「BとIとRとD」酒井駒子
「赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵
「くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵
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「きかんぼのちいちゃいいもうと」1~3 ドロシー・エドワーズ

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Commentaires(2)

これは好きです。
奥が深すぎて、ふと何度も読み返しています。

たらいまわしで挙げたことがあるのですが、
先に別のお題で挙げられていた方がいらっしゃいました……。

kotaさん、こんにちは!
これは本当に奥が深いですね。
1度や2度読んだだけでは、到底理解できそうになくて
折にふれて読み返すことになりそうです。^^

あ、先日のそのkotaさんの記事がきっかけだったんですよー。
記事ではお名前出してませんでしたが
素敵な本のご紹介、ありがとうございます。^^

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