「歩く」ルイス・サッカー

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グリーン・レイク少年矯正キャンプを出所して1年弱。アームピット(脇の下)は、またシャベルを握っていました。それはグリーン・レイクの干上がった土地に穴を掘るためではなく、灌漑造園会社のバイトのため。グリーン・レイクを出て更生施設でカウンセリングを受け、アフリカ系アメリカ人の少年の再犯率の高さを知ったアームピットは、「高校を卒業する」「仕事をみつける」「貯金をする」「けんかの引き金になりそうなことはしない」「アームピットというあだ名とおさらばする」という5つの課題を自分に課して頑張っているのです。そんなアームピットに会いに来たのは、X・レイ。2週間以内に貯金を倍にする話を持ってきたというのですが...。

「穴」の続編。とは言っても、スピンオフ作品と言った方が相応しいのかな。「穴」の主人公だったスタンリーは登場しません。今度の主役は、アームピットとX・レイ。
まず冒頭の「アームピットはまたシャベルを握っている」からしてルイス・サッカーらしさがたっぷりし、X・レイの口車に乗ってはいけないと十分分かっていながら、断りきれずにどんどんX・レイのペースに乗せられてしまうアームピットの姿が可笑しい~。そして、隣家の脳性麻痺の少女・ジニーが、父親が家を出ていったのは自分のせいだと泣いた時の、アームピットの言葉は最高に暖かいです。グリーン・レイクにいたということでも、身体の大きな黒人だということでも偏見を持たれがちで、実の親にもまるで信用されていないアームピットなんですけど、腕っぷしの強さだけではない、本当の強さを持った素敵な青年ですね。カイラとのことはあまりにお手軽&出来すぎで、ちょっと興ざめだったし、「穴」(大好き!)にはやっぱり及ばないなあ、というのが正直なところだったんですが、それでもやっぱり面白かったです。
ただ、「穴」や「道」では「脇の下」「X線」と呼ばれていた少年たちが、この本では「アームピット」や「X・レイ」になってしまったのは、なぜなんでしょう。シリーズの途中で訳者さんが変わることはよくあることですけど、固有名詞は前作のものを継承して欲しい... これじゃあまるで、全くの別人の話みたいじゃないですか。(講談社)


+シリーズ既刊の感想+
「穴」ルイス・サッカー
「道」ルイス・サッカー
「歩く」ルイス・サッカー

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Commentaires(4)

こんにちは~~♪

「穴」、おもしろい!!!と思って「道」を手に取りがっかりした(笑)わたしとしては、今回どうしようかな~と思っていたんですが、スピンオフ作品なんですね~~。
やっぱり読んでみることにします♪

でもって、固有名詞。
自分の中でもう決まってしまった固有名詞が変わるのはわたしもイヤですね。
百年の孤独はアウレリャノじゃなくてアウレリャーノであって欲しいし、指輪物語はやっぱり馳せ夫さんとゴクリであってほしいのです(爆)。

ちょろいもさん、こんにちは~。^^
「道」は、結局のところ、小説じゃなかったですしね。
今回の「歩く」は、「穴」ほどではないんですけど、悪くなかったですよ!
期待しすぎなければ、大丈夫だと思います。(わはは)
うーん、あれほどの作品は、なかなか出てこないのかもしれないですねえ。

馳せ夫さんとゴクリ!! まさにソレです。(笑)
指輪物語ほど年季は入ってないけど、「脇の下」と「X線」にも十分愛着があるわけで…
本の場合、文字による情報しかないわけだから尚更!
表記が違うと、人格まで変わってしまう気がします…

だから、世の新訳ブームにも、も一つ食指が動きませんー。(^^ゞ

「穴」における、<脇の下>と<X線>をもう一度読みたいな~と思って、本屋に寄ったのですが、文庫化の際、あんなに沢山置いてあったのに、すでに店頭からは消えてました…。涙
明日は違う本屋に寄ってみます!
カイラのことは、うん、確かに出来過ぎでしたけれども、アメリカだなぁと思いながら読みました。
最後のカイラの歌には、結構感動しちゃいました~。

あらら、店頭からは消えてしまいましたか。
そういや、「穴」の文庫が出てから、もう1年も経つんですねえ。
もう平積みはしないかもしれないけど、お店の人はちゃんと切らさないように注文しておいてくれなくちゃ!!

うんうん、カイラのことは確かに「アメリカだなぁ」ですね。
ほんとこのシリーズって、色んな意味でアメリカらしさが満載だな~。
もっと読みたいですね!

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