「スコットランドの黒い王様」ジャイルズ・フォーデン

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スコットランド出身の青年、ニコラス・ギャリガンが医師としてウガンダに到着したのは、丁度イディ・アミン・ダダがオボテ大統領を打倒し、政権を奪い取った頃。不安定な首都・カンパラを後に、ギャリガンはすぐに赴任先のムバララへと向かうことに。しかし数年後、地方にやって来たイディ・アミンの手当をしたのがきっかけで、ギャリガンはイディ・アミンの主治医として首都・カンパラに戻ることになったのです。

実在のウガンダの独裁者・イディ・アミン元大統領、そして1970年代におけるウガンダの独裁恐怖政治を、その主治医(架空の人物)の視点から描くという物語。軍人出身でアドルフ・ヒットラーを尊敬し、反体制派の国民を30~40万人も虐殺したというイディ・アミンは、アフリカで最も血にまみれた独裁者と言われた人物なんだそうです。
このイディ・アミンがものすごく魅力的に描かれていました。読んでいるこちらまでイディ・アミンに魅せられて、コントロールされてしまいそうになるほど。実際のイディ・アミンがどんな人物だったのかは知らないんですけど、やっぱり血にまみれた独裁者ですしね...。でもこの作品のイディ・アミンのカリスマぶりはすごいです。もちろん、傍にいたギャリガンがその魅力に抗えるわけがなく。慎重に距離を置こうとしても、気づけばすっかりイディ・アミンの手の内に取り込まれてしまってます。医師としての職業倫理と、英国大使館からの圧力の板挟みになって、逃げ出したいと思いながらもなかなか行動に移せないまま、イディ・アミンに翻弄され続けるギャリガン。そもそも、アフリカに赴任したことからして考えが甘すぎるギャリガンなんですけど、イディ・アミンに出会いさえしなければ、それなりの人生を送れたはずなんですよね。だからこそ、イディ・アミンに手もなくやられてしまったのが、とてもリアル。
リサーチに6年、執筆には2年が費やされたそうで、上記のイディ・アミンのことだけでなく、アフリカの地理、歴史、産業、文化、そして複雑な政治情勢、さらには医療の現場の実態についてもすごく詳しくて、予想外に面白かったです。これは映画にもなっているのだそう。「ラストキング・オブ・スコットランド」、アカデミー最優秀主演男優賞を取ってるんですね。どんなイディ・アミンだったのか、ちょっと見てみたいかも。(新潮クレストブックス)

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