「あなたが最後に父親と会ったのは?」ブレイク・モリソン

Catégories: /

 [amazon]
ヨークシャーの田舎で開業医をしていた父は、チャンスさえあれば、ちょっとしたズルやイカサマをするのが大好きで、お金と時間を節約しようとするような人間。時には鬱陶しい思いをしたり、怒りを感じたりもしたものの、その父が末期癌であることが分かり、「僕」は思いがけないショックを受けます。死に行く父を見つめながら、父との思い出を語るエッセイ。

読む前は、癌の闘病記のようなものを予想していたんですが、実態は全然違っていて、父と子の回顧録でした。父親のケチでズルいところ、息子に負けたがらないようなところ、いつまでも息子の人生に口出ししたがるところなど、苦々しく思っていた数々のこと、そんな父親から逃れるために、父親がまるで興味を持っていないサッカーをやり、聖歌隊に入り、医者にはならずに文科系に進んだ自分のこと。そこから浮かび上がってくるのは、どうしようもない俗物のように見えても、根は憎めない人間である父の姿。お互いの女性関係のことまで洗いざらい、乾いた文章で苦笑い交じりに書かれている感じなので、とても読みやすいです。でも訳者あとがきによると、これは最初から本にするために書かれた文章ではなくて、予想以上に衝撃を受けている自分自身のセラピーのために書かれた日記やメモだったのだそう。そうだったのか、ああ、なんだか分かる気がする... いろんな文章から、受けている衝撃の大きさが迫ってきます。(新潮クレストブックス)

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「あなたが最後に父親と会ったのは?」ブレイク・モリソン へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.