「柘榴のスープ」マーシャ・メヘラーン

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その日、アイルランドの小さな村・バリナクロウにオープンしたのは、バビロン・カフェ。これはイラン革命の直前に流血のテヘランから命からがら脱出したマルジャーンが、バハールとレイラーという2人の妹と一緒に経営するペルシャ料理の店。マルジャーンたちはイラン革命の直前に国から逃れて、ロンドンへ。そして今またアイルランドへとやって来たのです。

先日「ほんぶろ書店にお料理本コーナーがあったら」という企画があった時に、日常&読んだ本logのつなさんが挙げてらした本。(記事
中心となるのが3姉妹のペルシャ料理店だけあって、ペルシャの料理がいっぱい登場。そして1章ごとに、その章の中で一番クローズアップされた料理のレシピが載っているんです。そのペルシャ料理が、ものすごく美味しそう! 最初にその料理の匂いが漂ってきた時に、「これが天国の匂いじゃないんなら、なにが天国の匂いなんだって」なんて言う人もいるほどなんですよー。シナモンやカルダモン、クミン、ターメリック、サフラン、アドヴィエ... 匂いが分かるスパイスもあれば全然分からないのもあるけど、組み合わさったらまた全然違う深みが出たりするんでしょうね。このスパイスの香りがなんだかとっても濃厚で情熱的で官能的で、全編通して本から立ち上ってくるような気がするほど。レシピを見ただけでは、実際にどんな料理か分からないお料理がほとんどなんですが、それほど手に入らない材料はなさそうなので、作ってみたくなっちゃいます。私が一番食べてみたいのは、肉と米をブドウの葉でくるんだドルメかなあ。おこげが美味しいというお米料理のチェロウもいいし、はたまたラム肉とジャガイモのシチューのアーブグーシュトも濃厚で美味しそう... うーん、やっぱり自分で作るよりも、ちゃんとしたペルシャ料理のお店で食べてみたいなあ。
長女のマルジャーンが作った料理は、元気を取り戻したり、満ちたりた気分になったり、それまで不可能だと思っていたことを成し遂げようという気にさせたりする力を持っているみたい。突然現れたよそ者の3姉妹に、小さな町の人たちは戸惑うし、排除しようとする人もいるんだけど、3姉妹は少しずつバビロン・カフェに新しい人間を招きいれていきます。その辺りはまるでジョアン・ハリスの「ショコラ」のような雰囲気です。美味しいものが人を幸せにしたり、閉じていた心を開かせたりするというのは、やはり万国共通ですね!
でも、美味しいだけの話ではなくて、徐々に受け入れられゆく3姉妹の姿とは対照的に、バリナクロウまでやってくる間の3姉妹の苦労や過去の傷が明らかになっていきます。意外と重いものも含んだ物語でした。面白かったです! (白水社)

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マーシャ メヘラーン, Marsha Mehran, 渡辺 佐智江 「柘榴のスープ 」 アイルランドのクリュー湾近く、小さな村バリナクロウに、異... » Lire la suite

Commentaires(4)

四季さんに先周りできたことがめったにないので嬉しい!いいですよね、バビロン・カフェ。
「サフラン・キッチン」や「テヘランでロリータを読む」は途中放棄しましたが、「柘榴」は読了できました。
2001年にイランを旅しましたが、これから激しく変化していくだろうと感じました。今はかなり変わったのではと思います。
マルジャン・サトラピの「ペルセポリス」も好きです。映画も見てみたい!

四季さんも楽しまれたようで良かったですー!
これ、表紙もいいですよねえ。
レシピがついてるところも面白かったし、「本」の形態としても、かなり好みの本でした。

食べてみたい料理、迷っちゃいますよね。
私もドルメやアーブグーシュトが気になりました。
あとは「ゾウの耳」とか。

「ショコラ」は映画の方は何となく知っているけど、本は未読。
食べ物がクローズアップされる本って結構好きなので、覚えておこうと思います。

記事の紹介もありがとうございました♪

>きゃろるさん
おおー、きゃろるさんは既に読んでらっしゃいましたか。ほんと、いい作品でした~。
あ、でも「サフラン・キッチン」もいずれ読もうと思ってるんですけど、こちらはそれほどでもなかったですか…
わあ、実際にイランを旅してらっしゃるとは羨ましいです。私も一度行ってみたい…
激しく変化している最中だというの、よく分かります。時期によって全然違う面が見られそうですね。
「ペルセポリス」ですね! φ(..)メモメモ
ペルシャ系の作品には興味あるので、ぜひ読んでみます。ありがとうございます♪

>つなさん
素敵な本をご紹介くださって、ありがとうございました~。
うんうん、表紙も好きです。ものすごく雰囲気がありますよね。そして中身も大好き!
ハードカバーはあまり買いたくないんですけど、この本は手元に欲しいなあって思っちゃいました。
あ、「ゾウの耳」も食べてみたいですね~。
結構脂っこいのかしら、と、ちょっとそこで書くのを躊躇したのですが…。(^^ゞ

「ショコラ」もとっても素敵な本なので、ぜひぜひ。(映画と原作は設定がちょっと違うんです)
ちょっとしたおとぎ話風のところ(好き~♪)が、またよく似てると思います。^^

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