「UFO大通り」島田荘司

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御手洗が石岡と共に馬車道に住んでいた頃。散歩に出た2人の前に現れた少女が、近所の老女が老人ホームに入れられそうになっているので助けて欲しいと訴えます。老女はUFOや宇宙人、宇宙戦争を家の前で見たという話をしており、それを知った息子夫婦にボケてしまったと思われているのです... という表題作「UFO大通り」と、ラジオの深夜放送で聞いた、傘を車に轢かせようとしている女性を見たという不思議な話に、退屈していた御手洗は興味を引かれて... という「傘を折る女」。

ものすごーく久しぶりの島田荘司作品。調べてみたら、「ロシア幽霊軍艦事件」を読んで以来、2年半あいてたみたいです。島田荘司作品の読了本は54冊。好きだったんですよねえ、特に御手洗シリーズの初期の作品。傑作とされるデビュー作の「占星術殺人事件」は、実はあんまりだったんですが、「斜め屋敷の犯罪」「御手洗潔の挨拶」「異邦の騎士」「暗闇坂の人喰いの木」辺りが。デビューから1990年までぐらいの作品が一番好き。でも事件の舞台が海外に移るようになってから少し気持ちが離れ始めて(違う意味でスケールが大きすぎて好みじゃなくて)、最近の御手洗は電話での登場とかばっかりだし! 石岡くんと里美が中心になってからは、読む気をすっかり失ってました。
でも、ともっぺさんに、この「UFO大通り」は「四季さんの好きな、馬車道の頃の話ですよ~」とオススメされて読んでみることに。

で、読んでみて。やっぱり馬車道の頃の話は安心しますね。どちらも奇抜な謎を御手洗が鮮やかなに推理するという、御手洗シリーズらしい作品。UFOに乗った宇宙人の地球侵略、それを信じていたかのような小寺青年の死体は、白いシーツを体にぐるぐると巻きつけて、オートバイ用のフルフェイスのヘルメットをかぶってバイザーを閉め、首にはマフラー、両手にはゴムの手袋。部屋の天井からはちぎって貼ったガムテープの切れ端がぎっしり...。そんな謎も見事に解かれてみれば、とても地に足のついた話。へええ。
ただ... 初期の作品のことを思うと、どうしてもどこか弱いような。島田荘司作品のどこが好きかといえば、スケールの大きさとか、衝撃度の強さ、密度の濃さとか、そういうところなんですが、その意味ではちょっぴり物足りなかったです。しばらく読まないでいるうちに、初期の作品群が自分の中で美化されてしまったのかもしれないけど... 同じ馬車道の頃の話なので、どうしても比べてしまうのかも。うーん、なかなか難しいものですねえ。(講談社)


+既読の島田荘司作品の感想+
「ロシア幽霊軍艦事件」島田荘司
「UFO大通り」島田荘司
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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『UFO大通り』『傘を折る女』の、御手洗シリーズ2編を収録。 06年9月刊ですが、鮎川哲也(02年9月逝去)に捧げられています。『密室殺人』を読んだ直後に手に... » Lire la suite

Commentaires(2)

こんばんわ。
そうそう、最近の御手洗さんは電話ばっかりですよね!
これもそうかなと、敬遠していました。
二人がこっそり出演する
「切り裂きジャック・百年の孤独」なんかも好きでした。
昔のほうが良かったですよね~。

ia.さん、こんにちは~。
電話ばっかりじゃあツマラナイですよね!
石岡くんや里美には、すっかり苛々させられるし…
子供の頃の思い出なんかも別にいらないって感じです。(笑)

「切り裂きジャック・百年の孤独」も好きです~。大好き。
これは一粒で二度美味しい作品ですよね♪

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