「ロボット」チャペック

Catégories: /

 [amazon]
ロッスムのユニバーサル・ロボット工場(R.U.R.)は、ロボットと呼ばれる人造人間を開発・製造し、人間の労働を肩代わりさせるために世界中に販売している工場。その工場に、ある日社長のドミンを訪ねて来たのは、ヘレナ・グローリーという女性でした。ヘレナは人道連盟を代表して、ロボットたちに過酷な労働を課することをやめ、人を扱うように扱うようにするべきだと言いに来たのです。それに対し、ドミンはロボットは自分の意思を持たないため喜びや幸せを感じることは不可能だと諭します。しかし10年後、自分たちが人間よりも優秀だと知ったロボットたちが人間に反旗を翻して...。

カレル・チャペックの名を一躍有名にしたという戯曲。「ロボット」という言葉が生まれたのは、この戯曲からなんですよね。チェコ語で「労働」を意味する「robota」から作り出された言葉。(実際思いついたのは、お兄さんのヨゼフだったらしいですが) でもここに登場するロボットは、普段ロボットと言われて想像するような機械を組み立てたようなものではなくて、人間の組織的構造を単純化させて作り出された、文字通り人造人間といえるようなもの。見かけは人間とまるで同じ。でも魂や心を持っていないのです。
楽園にいるために子孫を作ることのできなくなってしまった人間たち、感情を与えられてしまったために人間に対して反乱を起こすロボットたち、そして存在意義を失う人間たち。ロボットを作り出したそもそもの理由は、人間を労働から解放したいという思いだし、ロボットに感情を与えてしまったのは、軽率だったかもしれないけれど、紛れもない善意からなんですよねえ。でも、ロボットもまた人間と同じことを繰り返すことに...。登場人物も少なくて、作品自体もごく短いんですけど、その中にものすごく色んな要素が入っていて、色んな角度から読めそうな作品。最後の結末が何とも皮肉で面白いです。
チャペックの本を読むたびにびっくりするのは、どの作品も古さがまるで感じられないこと。これには本当に毎回驚かされてます。エッセイや紀行文といったものはともかく、こういう作品も全然古びないというのは、やっぱりすごいことだなあー。(岩波文庫)


+既読のカレル・チャペック作品の感想+
「ダーシェンカ」「チャペックの犬と猫のお話」「園芸家12ヶ月」カレル・チャペック
「イギリスだより」「スペイン旅行記」カレル・チャペック
「ロボット」チャペック
「チェコスロヴァキアめぐり」カレル・チャペック
「北欧の旅」カレル・チャペック

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「ロボット」チャペック へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.