「僕僕先生」仁木英之

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唐の玄宗皇帝の時代。金品を溜め込んで県令を引退した父のおかげで、無為に100歳まで暮らしても十分おつりがくるということに気づいた王弁は、その日から机を離れ、武具を持つこともなく、何もせず佳肴を楽しみ、風光を愛でる日々。そして父は、まだ22歳の息子が日がな一日庭でぼおっとしている不甲斐なさに怒る日々。しかし近くの黄土山に仙人が住み始めたと聞きつけた父は、息子に供物を持たせて仙人に会いに行かせることに。黄土山中の庵にいたのは、王弁が想像したような見事な白髪姿の仙人ではなく、若く美しい少女の仙人。少女は「僕僕」と名乗ります。仙骨はないものの、「仙縁」はあるという王弁は、早速僕僕と酒を酌み交わし始めて...。

第18回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。ずーっと図書館に予約を入れてた作品。待ってる人数は10人もいなかったのに、延々半年以上待たされて、ようやく読めました!
何万年も生きているらしい仙人の僕僕が、なんと美少女の姿をしていて、仙人だという説得力を出す時だけ老人の姿になるというのも人を食っていて楽しいし、少女の姿をしていると、くるくると表情が変わる本物の可憐な少女に見えてくるのが不思議。そしてそんな僕僕に振り回されてるうちに、日々ふわふわと生きるだけで覇気が全くなかった王弁が徐々に自分を持ち始めるというのもいいですね。2人の間の淡い恋心も可愛らしくて、ほのぼの~。ただ、僕僕が王弁のどこを気に入ったのかは、今ひとつ分からないんですが。(笑)
時代背景としては、玄宗皇帝が即位して間もない頃。楊貴妃がまだ現れてなくて、玄宗皇帝が優秀な皇帝として唐を治めていた頃です。中国の神話を始め、「列仙伝」などに登場する仙人の名前や、「山海経」に登場するような異形の存在、そして中国史上の人物の名前なんかがあちこちにばらまかれていて、中国物好きとしては堪らないところ♪ (この辺りはそれほど濃くないので、全然知らなかったとしても問題ないと思いますが) ただ、今のままの緩めの雰囲気もとても心地良かったんですけど、エピソード同士の繋がりが薄くて、なんだかちょっと散漫な感じもあるんですよね... もう少し整理すれば、もっと芯の通った話になっただろうに惜しいな、という気もちょっぴりしました。...それでもやっぱり好きなんですけどね。この方はこれからも中国物を書かれるのかしら? そうだったらいいな。楽しみ!(新潮社)


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「僕僕先生」仁木英之
「薄妃の恋 僕僕先生」仁木英之」

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僕僕先生 時は唐代。若き王弁は父の財産に寄りかかり、学ばず、働かず、娶らず、ひたすら安逸を貪っていた。 そんなある日、父の命で黄土山へと出かけた王弁は、そこ... » Lire la suite

Commentaires(6)

僕僕先生、なんとも不思議な魅力のある天然系(?)キャラでしたね。(笑)
ただ、確かにちょっと散漫というか大味な感じがしてしまったのが、惜しいところ。とはいえこれがデビュー作なので、他のもまた読んでみたいところですね。

最近、ちょっと本から離れ気味だったので、読書の秋モードに立ち返りたいところです。(笑)

遼さん、こんにちは!
ようやく順番が回ってきましたよ~。長かった。(笑)
でもほんと、僕僕先生の天然系キャラは魅力的だし、面白かったです。
惜しいところもあるとはいえ、デビュー作でこのレベル、しかも中国物がお好きなようなので
酒見さんのように、今後色々やってくれるんじゃないかと期待してしまいます。
次の作品が楽しみですね。^^

遼さんの場合、まず芸術の秋が到来していますね。芸術と読書、最強かも♪

四季っち、こんにちは~。
のほほんとしてて可愛いお話ですね。
中国物好きには堪らないちっちゃな仕掛けが
いっぱいというのがニクいです。
続編もそのうち出るみたいですよ。
今度は僕僕の過去なんかも分かるのかな?
はやく読みたいです~。

sa-kiっち、こんにちは~。
ほんと、のほほんと可愛くて、すっかり気に入っちゃいました。
わあ、続編もそのうち出るんですか! それは楽しみ。
僕僕の過去、気になりますよねえ。他にも意味ありげなところで言いよどんでた部分が多かったし
今度こそ、すっきり教えてもらいたいものですね。(笑)

でも次こそは、ちゃんと早々に予約を入れないと。
もう予約待ちの順番が全然進まなくて、すっかりじらされちゃいました。
それほど長い作品でもないのに、なぜ!
みんな気に入っちゃって手放したがらなかったのかしら。(笑)

半年ですか!長いですね~。
日本ファンタジー大賞の受賞作って、今のところはずれがないです^^
私好みですね。
このストーリーもとても可愛らしくって好きです。
王弁はニート青年でしたけど、僕僕と旅をするようになって、男らしくなりましたよね~
続編も楽しみです^^

苗坊さん、こんにちは~。
そうなんですよ、なんだか皆さん粘ってくれて、待ちくたびれました。(^^ゞ
おお、苗坊さんも日本ファンタジー大賞がお好きでしたか♪
ほんとはずれがないですよね。今時珍しく(笑)信頼できる賞だなあという感じです。
続編も早く読みたいですね。どんな感じになるのか楽しみです!

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