「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」あせごのまん

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目の前を行く女性の尻に目を奪われて、思わず付いて行ってしまった鍵和田巴は、それが中学時代の友人・服部ヒロシの姉のサトだということに気づきます。それがきっかけで、巴はかつての同級生の家に招じ入れられることになるのですが... という表題作「「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」他、全4編の収められた短編集。表題作は、第12回ホラー小説大賞の短編賞受賞作。恒川光太郎さんの「夜市」がホラー大賞を受賞した時の短編賞です。ペンネームの「あせごのまん」とは、「あせご」という場所の「まん(化け物・憑き物)」という意味だとのこと。どうやら「あせごの」が苗字みたいですね。

前エントリに続いて、これも頂き物。ホラー系は基本的に苦手なので、滅多に読まないんですけど、この表題作は、結構気に入ってしまったわ!  選者の荒俣宏氏が「異様に気に入った」という作品なんですけど、その気持ちが分かる~。でもこれは、気に入る人は異様に気に入るし、それほどでもない人にはそれほどアピールしない作品かもしれません。私の場合、ごく普通のはずが日常の情景が少しずつズレていくというのは元々好きだし、この作品はまるで夢を見ているように逃げ出すことができないまま、不条理感にがんじがらめになっていく感じなんですよね。それも好き。妙な迫力があります。この雰囲気を盛り上げている各所の描写の気持ち悪さも堪らないし。
その他は、「浅水瀬」「克美さんがいる」「あせごのまん」の3編。「浅水瀬」はあまりにも予想できるオチなんですけど、この本の中では一番ホラーらしいホラー作品。きっと、分かっていてもあえて楽しめる、というところを狙った作品なんだと思います。「克美さんがいる」も予想できるオチなんですが、もう少しミステリ的かな。リアルな怖さがあって、私は「浅水瀬」よりもこっちの方が好きでした。最後の「あせごのまん」は、なんと土佐弁で書かれた作品。岩井志麻子さんの「ぼってえ、きょうてえ」を思い出すなあ。(角川文庫)

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