「風の陣」1~3 高橋克彦

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聖武天皇による寺院建立や大仏鋳造が続いた天平21年、陸奥から黄金が発見されたという知らせが朝廷に届きます。日本初の黄金産出の知らせに、陸奥に対する朝廷の眼差しは一変。そしてその黄金を陸奥守に貢いだのが父の丸子宮足であったことから、丸子嶋足は陸奥守について都に上ることに。嶋足はかねてから都で自分の腕を試したい、いつかは陸奥守となって故郷に戻り、陸奥を都と変わらない国にしたいと考えていたのです。そして嶋足が都に上って8年の歳月が流れます。右兵衛府の見回りの長になっていた嶋足の前に現れたのは、同じく陸奥の出身である物部天鈴。嶋足は天鈴の助けを得て、やがて左衛士府の坂上苅田麻呂の片腕となることに。

ここに登場する坂上苅田麻呂は、「火怨」の坂上田村麻呂のお父さん。「火怨」の前日譚的作品なんですねー。
今回読んだのは、「立志篇」「大望篇」「天命篇」の3巻。読んでる最中は、この3冊で完結するのかと思い込んでたんですが、「天命篇」を読んでる時に、どうも終わりそうもないなあ、と気づきました...。調べてみたら、先月4巻「風雲篇」の単行本が出たところじゃないですか。しかも、今は5巻目に当たる「裂心篇」が連載中ですって。ここで一旦主人公が別の人物に変わっているとか。とは言っても、また嶋足に主人公が戻るんだろうし... 一体、何巻までいくんだろう?(笑)
「立志篇」は橘奈良麻呂、「大望篇」は藤原仲麻呂(恵美押勝)、「天命篇」は弓削道鏡と、それぞれに時の権力者を抱きこんでわが世の春~♪ を謳歌しようとしてたり、実際謳歌してた人たちを、嶋足や天鈴が蝦夷のために追い込んでゆくさまが描かれています。話そのものもすごく面白いんですけど、例えば吉備真備とか和気清麻呂なんかも登場して、自分の中では名前だけの存在だった人たちがどんどん繋がって広がっていくのが、また面白いんですよね~。教科書で読んでる分には、あんなに面白くなかったのに。歴史物の醍醐味ですね。これは続きも楽しみです。
3巻合わせて全部で46の章があるんですけど、その章題全てが風にまつわる言葉なんです。これがまた想像力をかきたててくれて、いい感じです。(PHP文庫)


更新にちょっと間があきましたが、実はちょっと熱を出したりして体調不良...。その間に第38回たら本も始まっていたようですね。今回のお題は、「何か面白い本ない?」という無謀な問いかけに答える、です。主催はりつこの読書メモのりつこさん。(こちら
体調の悪さもあるんですけど、この問いかけにはイタイ思い出が色々と... しかもなんだか生々しく蘇ってきちゃったので、今回は参加できないかもしれません。うむむ。


+シリーズ既刊の感想+
「火怨 北の燿星アテルイ」上下 高橋克彦
「天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実」1~3 高橋克彦
「炎立つ」1~5 高橋克彦
「風の陣」1~3 高橋克彦

+既読の高橋克彦作品の感想+
「白妖鬼」高橋克彦
「闇から招く声」高橋克彦
「鬼」高橋克彦
「空中鬼」高橋克彦
Livreに、これ以前の作品の感想があります)

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Commentaires(6)

あららら…
季節の変わり目はどうしても体調を崩しやすくなりますね。お大事になさってくださいませ。

高橋克彦、実はむか~~~~し「龍の柩」から始まるシリーズを読んでドンびきしてしまい(笑)、以来手を出していないんですよね。
火怨のシリーズなどはかなりおもしろいと聞いて読んでみたい…とは思っているんですが。

ああ、イタイ思い出。。。
僕も痛いというほどではないですが、今から振り返ると本を勧めるという行為において恥ずかしくなってしまう思い出があります。うう。

体調崩されているとのことですが、どうか無理なさりませんように。僕のまわりでも今体調を崩している人が多いです。
本を読んで・・・いないでゆっくり寝ていらっしゃいましたよね?^^
どうぞ養生なさって早く元気におなり下さい。

ちょろいもさん、こんにちは~。お見舞いの言葉、ありがとうございます。
9月の最後にいきなり涼しくなった頃から騙し騙し、って感じだったんですけど、とうとう… です。(^^ゞ

「龍の柩」は読んだことないんですけど、もしかしてオカルトがかってる作品ですか?
私が最初に読んだ高橋作品が「総門谷」で、これがもんのすごいオカルト系だったんですよ。
あんまりすごくて、逆にトンデモ本のように楽しめたんですが(笑)、好き嫌いはハッキリ分かれそうな作品でした。
「火怨」は、普通の歴史物なので大丈夫! しかも一連の歴史物の中でも特別オススメ~~~な作品ですので!
ぜひ読んでみて下さいませ~♪

kyokyomさん、こんにちは~。
おお、kyokyomさんにも「うう。」となるような思い出がありますか。(笑)
まあ、本好きさんなら必ず通る道なんでしょうけどねー。
どうも私ってば妙に根が真面目で(自分で言うか)、しかも気が小さいもので。(笑)
今じゃあ、この質問をされると反射的に拒否反応が…(^^ゞ

寝られる時は、ぐっすり寝てますよ~。本も読んでないです。(笑)
仕事はなかなか休めないんですけどね。
3連休は、たまたまなんですが、仕事が入ってなかったので、ラッキーでした♪
ありがとうございます。できるだけ養生します。^^

今日も微妙に暑寒かったですね。
おからだ、回復されましたでしょうか。

人に本を薦めるのって、たいへん難しいもの。
私は自分の読書の趣味が完全に人類から孤立していることを、15歳の頃には知っていました。
それというのも姉が姉が姉が姉が。
…ちょっとどもってしまいました( ノ゚Д゚)

うちの姉は、ベストセラーとか話題の本しか読まない、超絶的にベタな読書をもう何十年も続けています。
本棚(横積み)は「あの本は今」という様相を呈し、さながら本の墓場状態です(;・∀・)
そして「この世界のすべての本はつまらない」と確信しているのです。
読書は、本がいかにつまらないかを確認するための作業であり、ここまで徹底していると、ある種、感動的ですらある。
アレクサンドリア大図書館に火をつけたのは、前世の姉にちがいないですw

この手の人間に本を薦めることは、不可能であることを、私は15の頃には知っていました。
「こんなもん、誰も読まへんわ」
「最初の二行で寝てもたわ」
「これが面白いん? あんた、ヘンやで」
「賢い人が自分が賢い思うために読む本やね。お経や」
「アホが読む本や」
「ほんまにあんた、こんな本が面白い思とんけ。流行とかにだまされとん、ちゃうの」

どのような角度から攻めても、難攻不落。本への呪詛の念は解けることがないのです。
姉みたいな人に、流行うんぬんで批判されたくないのですが、そういわれてみると、そんな気がしてくる情けない私がそこに( ;´Д`)

でも、姉は外ヅラはいいので、他の人から薦められた本は、
「よかったわー。今まで読んだ本でイチバン感動した!」
と、ろくすっぽ読んでない本について、平然と言いのけますから。
そいでもって、私にはその本がいかにくだらなかったかを、まるで私が悪いかのように、とうとうと告げるのです。

私はわりとどんなタイプの本も楽しんで読めるのですが、あるいはそれは姉のせいなんじゃないかと思います。
究極の反面教師!
人生そのものについても、姉はこのような態度を取っているかも…。

…という姉の話を、今回のたら本では書こうかとも思ったんですが、
姉にブログを見られる危険性も考慮して、回避しましたw
しかし、「王様の耳はロバの耳」じゃないですが、言わずにおれない気持ちもあって、ついこちらで長々と書いてしまいました。ごめんさい。
高橋克彦さんのこと、書こうと思って書き始めたのだったが(;・∀・)

overQさん、こんにちは~。
いつもながら強烈なお姉さまですね!
でも、お姉さまがそんな風にベストセラーと話題の本オンリーとは、ちょっぴり意外…
もっと確固とした自分の世界を築いてらっしゃる方なのかと勝手に思い込んでいました。
あ、その場合のお姉さまの世界の本は、overQさんとはまたちょっと違うものだろうなとは思っていたのですが。(笑)
わー、「あの本は今」状態の本棚、見てみたーい。
たとえ読んでなくても、懐かしくなるような本ばかりなんでしょうね。
ベストセラーとか話題の本にどんなのがあったか、パッと思い出せませんが
例えば黒柳○子さんの窓ぎわの本とか? 二谷友○恵さんの別れた理由の本とか…?(古いなー)
最近だと何だろう。お母さんと東京タワーの話とか、 さおだけ屋が潰れない話とかでしょうか。(これも微妙に古いか)

読書なんてごくごく個人的な作業だし、どんな形の読書があっても構わないわけなんですけど
いかにつまらないかを確認するために本を読むというのも、すごいですね。
何事でも、徹底して突き詰めていく人ってすごいなと思うし、
その本のどこが面白くないのかとうとうと語れるのもすごいなと思いますが… 楽しくなさそう。(笑)

15歳の頃には、というのは、それまでもずっとそうだったということですよね。
うわあ、思わず「ご愁傷様です」と言いたくなってしまう失礼な私です。
でもお姉さまを反面教師に、確固とした世界を築いてらしたoverQさん、素晴らしいです!
ぜひともそのまま邁進して下さいませ。

ふふふ、王様はロバの耳、嬉しいです。いずれこのブログから葦が生えてたりして…?(笑)

体調はかなり良くなりました。昨日は職場でぼーっとしがちだったんですが、今日はもう大丈夫そうです。
ありがとうございます。^^

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