「悪魔の薔薇」タニス・リー

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老いたヴァンパイアの姫君に長年仕えてきたヴァシュは自分の死期を悟り、自分の後任となる者を探し始めます。そしてヴァシュが目をつけたのは、自分から金を巻き上げようとした青年・スネークで... という「別離」他、全9編が収められた短編集。

河出書房新社の奇想コレクション。中短編に関してタニス・リーの脂が最も乗っていたという1979年から88年にかけて発表された作品の中から、本邦初訳の9編を選んだという短編集です。タニス・リーの本領はファンタジーとホラーの中間領域の「幻想怪奇小説」にあるということから、SF系の作品は省いたセレクト。いやあ、ここのところ作品が続けざまに邦訳されてたのは嬉しかったんですけど、ジュヴナイルだったり、タニス・リーにしては...うーん... という作品が続いてて、正直物足りなかったんですよね。でも、これは久々にタニス・リーらしい作品でした~。私の一番のお気に入り「闇の公子」にはちょっと及ばないんですけど、タニス・リーらしい妖しい美しさがいっぱい。絢爛豪華で幻想的で官能的。ほの暗い夜を感じさせる作品群。「現代のシェヘラザード姫」という異名は、やっぱり彼女に相応しい!
タニス・リーの短編は、短いのに世界の広がりを感じさせてくれるところが好きなんですが、この作品の配列も絶妙。編者の中村融さんは、「いま・ここ」から次第に遠ざかるように作品を並べたのだそうです。これによって、さらに世界が広がるような感覚...。大体どの作品も良かったんですが(好みではないのも、実は少し)、私が特に好きだったのは「別離」「美女は野獣」「魔女のふたりの恋人」「愚者、悪者、やさしい賢者」、「青い壷の幽霊」辺り。その中でも、タニス・リー版「壷中天」の「青い壷の幽霊」が一番好みだったかな。あと「魔女のふたりの恋人」も好き好き♪
タニス・リーの未訳の短編はまだまだ沢山あるんです。ぜひともこの本の第2弾を出して欲しい~。それと、もちろん長編も。例えば「美女は野獣」は、フランス革命をモチーフとした大作歴史小説「The Gods Are Thirsty」からの派生作品なのだそう。その本編の方もぜひとも読んでみたいです~。(河出書房新社)


+既読のタニス・リー作品の感想+
「闇の公子」タニス・リー
「死の王」タニス・リー
「タマスターラー」タニス・リー
「ドラゴン探索号の冒険」タニス・リー
「白馬の王子」タニス・リー
「惑乱の公子」タニス・リー
「熱夢の女王」上下 タニス・リー
「ゴルゴン 幻獣夜話」タニス・リー
「血のごとく赤く」タニス・リー
「バイティング・ザ・サン」タニス・リー
「鏡の森」タニス・リー
「黄金の魔獣」タニス・リー
「幻魔の虜囚」タニス・リー
「幻獣の書」「堕ちたる者の書」タニス・リー
「月と太陽の魔道師」タニス・リー
「冬物語」「闇の城」タニス・リー
「銀色の恋人」タニス・リー
「妖魔の戯れ」タニス・リー
留守中に読んだ本(18冊)(「ウルフタワー」の感想)
「影に歌えば」「死霊の都」タニス・リー
「パイレーティカ 女海賊アートの冒険」タニス・リー
「銀色の愛ふたたび」タニス・リー
「水底の仮面」「炎の聖少女」タニス・リー
「土の褥に眠る者」「復活のヴェヌス」タニス・リー
「悪魔の薔薇」タニス・リー

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