「螢坂」北森鴻

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16年ぶりに三軒茶屋を訪れた有坂祐二は、かつての恋人・江上奈津美と歩いた道や一緒に行った店を辿るうちに、香菜里屋という店を見つけ、思わず中に入ることに... という「螢坂」他、全5編の連作短編集。「花の下にて春死なむ」「桜宵」に続く、ビアバー「香菜里屋」シリーズ第3弾です。

今回もとても美味しそうな作品群でした! 美味しいシリーズだというのは頭では分かってても、前もここまで美味しそうだったっけ... と改めて驚いてしまうほど料理は美味しそうだし、香菜里屋という空間はとても居心地が良さそう。もちろんマスターの工藤哲也も相変わらず魅力的です。客の話すどんな小さいことも、どんな小さい出来事も見逃さずに、正しい筋道を見つけてしまうマスター。今回は「死」と密接に結びついている分、謎が解き明かされても救いとはならないこともあって、いつもよりも重めの話が多かったように思うんですが、それでも生々しい傷を負った心が柔らかく揉み解されて、辛い情景が過去の風景へと変わっていくのは、マスターの人柄というものでしょうね。ほろ苦くて切なくて、でも暖かい物語。この中で私が一番好きだったのは「双貌」でした。これは小説家による作中作が登場して、他の4編とはちょっと違う雰囲気の作品です。
「桜宵」から登場している工藤の旧友・香月が、「雪待人」でも意味深な一言をもらしてるし、次は工藤の過去が明かされる内容になるようですね。どんな話になるのかいつも以上に楽しみ~。これは単行本が出たらすぐ読まなくちゃ!(講談社文庫)


そして北森鴻さんといえば、11月24日(土)三重県名張市主催の、「第17回なぞがたりなばり講演会」に出演されることが決定したそうです。テーマは「旅とミステリー ~乱歩と香菜里屋の不思議な邂逅~」。名張市は江戸川乱歩生誕の地ということで、毎年豪華なゲストを招いて講演会を開催してらっしゃるんです。去年は綾辻行人さん、その前は有栖川有栖さん、その前は福井晴敏さん、高村薫さん、真保裕一さん、馳星周さん、北村薫さんと宮部みゆきさん...
乱歩と香菜里屋の不思議な邂逅だなんて、一体どんなお話になるんでしょうね? 美味しいお話もたっぷり聞けるかも? 興味のある方はコチラまでどうぞ~。

あとイベントといえば、11月11日(日)立教大学キャンパスで行われる日本推理作家協会60周年イベント「作家と遊ぼう!ミステリーカレッジ」も面白そうです。参加作家さんが、ものすごーーく豪華だし、企画もそれぞれにとっても楽しそう。全部で6時間ほどのイベントなので、どれに行くか迷ってしまう人も多いかも? 参加作家さんとして名前が挙がっていなくても、ふらりと遊びに来る作家さんも多そうです。詳細はコチラ

ということで、ちょっぴり回し者になってみました。えへ。


+シリーズ既刊の感想+
「花の下にて春死なむ」「桜宵」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「螢坂」北森鴻

+既読の北森鴻作品の感想+
「共犯マジック」北森鴻
「蜻蛉始末」北森鴻
「親不孝通りディテクティブ」北森鴻
「瑠璃の契り」北森鴻
「写楽・考」北森鴻
「暁の密使」北森鴻
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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  北森 鴻 「螢坂 」 「花の下にて春死なむ」、「桜宵 」に続く、ビアバー≪香菜里屋≫シリーズ第三弾。 三軒茶屋の奥... » Lire la suite

Commentaires(2)

お、文庫だとまた雰囲気が違うのですねえ。
タイトルのフォントが違うと、結構イメージが変わるものですね。

で、これ、ほんとに美味しそうでしたよねー!
北森さんと言えば、美味しい料理、とも言えますが。笑
香菜里屋シリーズよりはライトだけれど、裏京都シリーズもあの料理に釣られて、好きです。
工藤の過去も気になりますよね。

そして、回し者。笑
おお、流石、秋には色々なイベントがあるものなのですねえ。
四季さんは行かれるのですか?

つなさん、こんにちは~。
ほんと、単行本と文庫ではちょっとイメージが違いますよね。
私は単行本の表紙のフォント(新宋体?)の方が、イメージに合ってて好きですねえ。
フォントだけじゃなくて、表紙全体の好みとしても、単行本が上かも。(^^ゞ

で、今回はほんとーーーにっっ美味しそうでした! もう食べたくて食べたくて。
近くにこんなお店があったら、本当に通ってしまいます~。(笑)
あ、裏京都でも十兵衛のお料理が美味しそうですよね。
そうだ、去年ね、大悲閣千光寺に行ってきたんですよ。
本当に噂にたがわぬ貧乏寺でしたが(笑)、眺めはとっても綺麗でした~。

で、回し者。(笑)
先日、名張の方の主催者さんにお会いする機会があって、今年のゲストは…?なんてお話をしてたら
決まりましたよーとお知らせにきて下さったのです。だから本当に回し者なんですよ。(笑)
行きたいイベントは色々あるんですが、どれも遠いんですよねえ。
土日がお休みとは限らない仕事なので、なかなか難しいところです。(お財布の具合も~)

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