「龍使いのキアス」浜たかや

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アギオン帝国が中心に、様々な部族がその帝国を取り巻くロールの世界。キアスは燃えるような赤い髪をした15歳の少女で、西の谷にあるモールの神殿の巫女見習い。いつかは偉大な巫女になりたいと思いつつも、退屈な勉強や、先輩の巫女に気に入られようといい子ぶる見習い巫女たちに我慢ができず、授業を抜け出しては、モールの林の中にある、ひときわ大きい木ののうろに入ってばかりいました。その木は300年前の大巫女・マシアンの木。女の子が生まれるとモールの木の苗木を植えるモールマイ族にとって、モールの木は生まれた子の<根>であり、生まれた子はその木の<寄生木(やどりぎ)>。巫女の呪歌によって結び付けられた<根>と<寄生木>は、片方が育てばもう片方も育ち、どちらかが死ねばもう片方も死ぬという関係。マシアンの木がまだ生きているということは、マシアンもまだ生きているということ。呼び出しの儀式に失敗して巫女になれなかったキアスは、マシアンを探す旅に出ることに。

海外作品に負けない骨太のファンタジーを書く日本人作家さんは何人かいますが、浜たかやさんもその1人でしょうね。これはロールという架空の世界を舞台に繰り広げられるファンタジー。世界の成り立ちの神話も詳細に描かれていて、世界観がとてもしっかりしていました。それぞれの部族ごとに信奉する神がいて、独自の歴史やしきたりがあるという部分とかもさりげなく、でもきちんと描かれてていいなあ。こういうの好き~。最近のファンタジー作品にはあまり書き込まない傾向があるのかもしれないけど、私はやっぱりこんな風にじっくりと作りこまれて、丹念に描かれてる方が好き。脇役もそれぞれに魅力的で、とても楽しめました。
ただ、序盤~中盤に比べると、終盤はやや失速しているような... というか、ちょっと書き飛ばされてしまったような。じっくり書いて欲しいところがやけにあっさりしてるし、特にせっかくマシアンが登場しても、マシアンなら語って聞かせられる部分がほとんど語られずに終わってしまったし。それに「龍使い」という題名の割に、全然龍を使ってないし! 名前に関しても、結局ただの偶然だったのかなあー。せっかくの作品なんだから、その辺りも丁寧に書いて欲しかったな。そんなことになったら、ただでさえ分厚い本がさらに分厚くなってしまうんですけどね。すごくいい作品なだけに、その辺りだけがちょっぴり残念。(偕成社)

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