「南の島の魔法の話」「鶴の家」「夢の果て」安房直子

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安房直子さんの短編集3冊。

「南の島の魔法の話」...「鳥」「ある雪の夜の話」「きつねの窓」「沼のほとり」「さんしょっ子」「南の島の魔法の話」「青い花」「木の葉の魚」「夕日の国」「きつねの夕食会」「もぐらのほったふかい井戸」「だれも知らない時間」
「鶴の家」...「鶴の家」「雪窓」「北風のわすれたハンカチ」「ゆきひらの話」「魔法をかけられた舌」「熊の火」
「夢の果て」...「夢の果て」「あるジャム屋の話」「黄色いスカーフ」「サリーさんの手」「グラタンおばあさんと魔法のアヒル」「花のにおう町」「空にうかんだエレベーター」「ききょうの娘」

どの作品も、やっぱり色彩がとても綺麗。そしてとても豊かなものが広がります。安房直子さんご自身、こういう話を書こうと思って書くというよりも、ある情景が絵のように浮かんできて、そのイメージを物語にするという書き方をすることの方が多いのだそうです。そして「南の島の魔法の話」のあとがきに、安房直子さんが「私が、ファンタジーの作品を好んで書くのは、空想と現実との境の、あの微妙に移り変わる虹のような色が、たまらなく好きだからです」と書かれていたという話がありました。ああ、分かるー。
3冊の中で私が特に好きだったのは、聞いてしまった秘密を取ってもらいに耳鼻科に駆け込んできた少女の話「鳥」、翻訳家がある物語を上手く訳せなくて困っているうちに、実際にその物語を体験してしまう「南の島の魔法の話」、女の子に頼まれて青い傘を作る傘屋の物語「青い花」、鹿の少女と一緒にジャム屋の仕事をだんだん軌道に乗せる「あるジャム屋の話」、黄色いスカーフのおかげでとても幸せな気持ちになるおばあさんの話「黄色いスカーフ」、少女とウサギの満月の夜の冒険物語「空にうかんだエレベーター」。どれも本当にうっとりするほど情景が美しく、でも優しくて甘いだけでないところがいいんですよね。(講談社文庫)


+既読の安房直子作品の感想+
「ハンカチの上の花畑」「だれにも見えないベランダ」安房直子
「南の島の魔法の話」「鶴の家」「夢の果て」安房直子

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