「喜びのおとずれ C.S.ルイス自叙伝」C.S.ルイス

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「ナルニア国物語」のC.S.ルイスの自叙伝。幼かった時のこと、家族のこと、特に兄との親密だった関係のこと、母との別離とそれに伴う家族関係の変化のこと、寄宿学校での教育やそこで得た友人たちとのこと。そして兵役を経てオックスフォード大学に復学したこと。幼年期から、モードリン学寮の特別研究員に選ばれ、キリスト教を受け入れるようになった頃までのことを辿っていきます。

本来は、無心論者だったC.S.ルイスが紆余曲折を経てキリスト教を信じるようになった過程を書こうとした本のようなんですけど、実際にはあまり宗教的な匂いが感じられなかったです。キリスト教について大きく取り上げられているのは2度だけでしたしね。1度目は、ほのかに持っていた信仰心を失ってしまった14歳の頃。そして30歳過ぎに信仰心を取り戻した時が2度目。そのキリスト教の信仰を取り戻したことが書かれている章は、意識的に書かれずに終わってしまったことも多かったようで、かなり抽象的なんです。これじゃあインパクトがあるどころか、ほとんど印象にも残りません...。唯一、キリスト教という心の支えを得たことで、「喜び」を失ってしまったようなところは興味深かったんですが。
それより、他のエピソードがものすごく面白かったです! 特に子供時代の回想部分が素晴らしい~。ルイスと兄の過ごした日々がすごくリアルに蘇ってくるようだし、それにルイスが読んでいた本! ルイスの本の好みは、私自身が好きなジャンルでもあるので、ものすごーく興味深く読めました。特にロングフェローの詩「オーラフ王の伝説」の中の「テグネールの頌詩」で、初めて北欧神話に出会った時の感動は印象的。この作品、読んでみたいなあ。日本語には訳されてないのかしら。そしてこの本を読んでたら、他にも「私も読みたいと思っていたんだった...!」という本を色々思い出しちゃいました。
そして様々な生活描写の中に、ナルニアの面影が垣間見えるようで懐かしかったです。特にルイス自身の母が亡くなる場面では、「魔術師とおい」のディゴリーと母親の関係を思い出すし、もしかしてノック先生は「ライオンと魔女」のカーク教授のモデル? ルイスと兄は、3歳の年齢の差のせいで違う寄宿学校に入ることになるんですけど、新学期の寄宿舎に向かう時は途中の駅まで一緒で、その学期が終わって帰省する時はその駅で再会するんですね。こういうところを読むと、ついついペベンシーきょうだいがカスピアン王子のふく角笛に呼び出される場面を思い出しちゃう。ナルニアを知らなくても読める本だとは思いますが、やっぱりこれはナルニアを知っていてこその本かもしれないですね。(ちくま文庫)


+既読のC.S.ルイス作品の感想+
「マラカンドラ」「ペレランドラ」C.S.ルイス
「サルカンドラ」C.S.ルイス
「顔を持つまで 王女プシケーと姉オリュアルの愛の神話」C.S.ルイス
「悪魔の手紙」C.S.ルイス
「喜びのおとずれ C.S.ルイス自叙伝」C.S.ルイス
「カスピアン王子のつのぶえ」他 C.S.ルイス

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